【川神】 雨中風中にあえぐ橋をみたわたすおのれがわたられてしまうまことおののいてゆらいでいた すべての具象は沈下橋なのだだがなぜ木でつくられているのかしずんでやがて再誕するものがなぜみあげる木目をもつのか みちびきがつづくのみではなくま
【煉瓦】 このてのひらはおもいつめていなほのひろがりではなくだれかの割るレンガへとつづく とつおいつ秋にはつづくのだおとが破壊のさきぶれだったと おのれのあくがれがものをなぞりのこしてゆくたいせきを忌むかかわれば身にならうなにかがだれも
【繭蔵】 きぬをたべているひとがいるいとをすいつつ、まゆもほおばる手からくちへなめらかがうつる まとうべきもので内壁をおおってきもののようにくずれてゆく坐ひとをすこしほめるためには横死とくゆうのひらたさも要る そこからの漿などないのにく
【月齢】 ひとの途中がすきなので着替えるすがたにみいられるそれでもそんざいをけすようなぬののゆれる着物でなければ 粉塵をふくむ月光にまぎれ着替えはとおくおこなわれる秋のぬのがきらきらと舞う もちづきのもとのあれはだれ途中をちらす叛意もみ