【斜性】 坂のなかとはどこをさすのか斜面すべてではないだろう おだやかなひとつのななめが次のさりげないななめへつながるそのときに、なかがあって ひとはそこにこそ足をとられのっぺらぼうの斜性となりそれまでの坂をうろぬきつつおのが直前へとき
【潮音】 すみわたったきれいなひとみがこちらのひとみもすませるまなざしはそのようにつたう ゆきの日の巨木の枝えだはひとのみかわしをかすめつくしまなざしをつたえおわった痕跡でかたちがまとめあげられている しずかさがほほえむ瞑目になればとお
【灰色】 はいいろのちいさくかわいい花がせいぜんとみちばたにならんであるけばものくろふぃるむのさなかへはいってゆくようなのだ ものくろふぃるむのながめにはきんいろとみえる急所もありまなこではそれが粉としてのこる あしくびにりぼんをまいた