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日記一覧

2015年04月30日13:57

 【侍】  こしかたをひとひろがりとはとらえられずおもいおこしがおもいでにかわるそのさかいめをうっとりみつめているひとがひとではなくなるあやしみにもとのかたちがあってひとのきものはいつかは城址に似うみぼやけてしまうわたるべき河のめもりをいな

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谿
2015年04月30日05:37

 【谿】  ふいにはげしくからだを屈したところ背後のそらがさけたそんなふうにみだれるひとが丘にいてああ同期しているからだのなかのおとをひかりにしているとそのしろさがそううかがえたおととひかりのむすぼれはからだをとおくほりこみふかみのある谿と

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2015年04月29日02:12

 【坐】  おそろしい患部によってからだのすこしがかぎられるそんなことがすでにやまいではないだろうかぬくもりつつあるきせつではからだのなかに椅子をおきからだひとつをすわらせながらながめるひかりすべてを地のわずらいとかんがえてみるちりはじめた

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2015年04月28日06:40

 【倶】  きれいなおんなとともにいれば「ともに」がやなぎになるたかさをながさとしてゆれてのぼるくうきをすいあげるそれでも蒸発好きの眼はかたちのくずれをみとめたそうだったいつのまにかこのむやなぎも剪られていてあるときはゆれやまない糸から糸へ

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2015年04月27日08:18

 【草】  てつがくをやまと詞にあらわしかえれば詩になってしまうのがにほんごという草だこころの世にあるひびきがかんがえよりさきだちまどおさのくずれるさまがいつもまぼろしのながめさくらもえだではなくそらにこそしろくあふれひとごみにはいない女身

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2015年04月26日15:34

 【浴】  いちじちがいがすきだから屋上を浴場となしてまはだかのわたしらは屋根の傾斜でゆあみしたすべらんようにというかたりあいがきらめいてせっけん玉をはじきながらあらいあうからだを倍化した陽と風のなかでうごくみあげられるみだらにはみだらなり

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2015年04月26日08:49

 【穴】  よみかえしてみると日記のうるむところではそのおくそこに水のようなものがはしりふじいろがもれているだれかのいた棚だろうかおぼえのないひとのおぼえのない手あしがふるびてもきらきら反るときそれがしきさいにながれるのはかたちがずれてにじ

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告知・紗
2015年04月25日05:19

  【告知】1)本日(四月二十五日土曜)、シアターキノで14時05分からイニャリトゥ監督『バードマン』の上映がありますが、上映後、30分ほどぼくが講演をします。『バードマン』にからめて、題目は「映画を観ることについて」。いらしていただければ幸いです

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2015年04月24日13:55

 【桶】  儲、という字のへんとつくりがきらいで風をはった桶でへやをいっぱいにしたなりわいはおけ屋しごと場のけしきはかたちばかりで奇怪だたてやよこや円のいつでも途中がみえてしゃみせんが入用になりめのないひとがふえねことねずみがやかましくたが

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2015年04月23日06:35

 【琴】  ゆみのなかよりあらわれたいきさつからたてごとはみずからの奥をひらく楽器のおかれるところはもともと淡黄にかすみひとのいるよりさみしいがはられた弦とすきまがボディとしかみえないそれはうしろをすかすひかえめであやうく遠方へさだまりゆみ

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2015年04月22日10:14

 【鱒】  ゆっくりすんでゆくひとになりゆあみするみずとおなじくみたてにからだがかわってそのながれるなにかであいてのよぎりをつつむとゆっくりすんでゆくあいてにもなりまざることへのさかいがさかいのあるままにじみをますかのようだ性か精かのもんだ

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2015年04月21日07:19

 【百】  くもる日、照る日とまどからかぞえるしきそのないことがとうめいにならずしろくひかってしまうはなのほうそくがたつときのとおくをましろにひやしていたはなびらのはがねがおととともにちりやがてこだちへのこるやわらかい胚珠がひゃくのかずでと

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2015年04月20日08:05

 【燻】  さいごの薪をくべるそらの釜へなげこんだずっとかまえを炎やしてついにくずれたとき天人がたばこをふかすうすあおいけむりを円のでぐちにあたえるかわけばくべられるかたちの木材性にゆめのもようがありとおく人界が燻る枝であることおおくかつて

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2015年04月17日13:19

 【藤】  せかいときそうながさで土ふかい穴の奥へまでしずかな淡紫でたれている藤のはなぶさをみたいたれることが重力にとりなにかしらの和解だとしてそれらはほそいむすめのたたずまいであるほかそらをちぶさのゆくまぼろしもつたえるだろうおちてゆくそ

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2015年04月15日08:41

 【藪】  くさ木にひとをおもうのはくるいのきざしだろうがふきだした花の芽にはやはりあかごのこぶしをひそかにみてしまういずれそれらはひらいてくうをつかもうとするだろうそれでもつかみきれぬままいつしか風にくだかれるいまからでもねこのような芯の

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2015年04月13日11:21

 【紋】  やなぎがめぶきだして丈たかく陰気なうすみどりがひかりをのみこみつつゆれそのまえにも芽吹きはじめた春紅葉があかく喘いでいたあるきではうすい寸断があるくごと身のめぐりにつづきせかいの左右もスライスされきらきら食べられるかのようだしず

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【アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督『バードマン』】 1ショット映画(カット連接の一切ないとみえるもの)となれば、まず想定するのがヒッチコックの『ロープ』だろう。この映画、ヒッチ作品としては評判がわるかった。理に落ち、知を誇るシニカルな全体

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2015年04月11日08:10

 【馬】  くびをふかくたらしてなけなしの草をはむうまのわびたすがたにおんじきのとがをおぼえたひと日をくらいつくすおのれのらちがゆめすべてへることのない反世界のただなかにうすい馬身がゆれているかげろうのへだてをいきている点在どもはことばをな

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2015年04月10日10:42

 【雁】  この世のおとを譜に採ればじかんがみわたせるのだから曲のひとの眼もおのずからするどさの鳥にちかづくみみがあたまを空へゆかすつばさとおもえばあわれかりがねは鍵上にひろがりとおいかげをつなげるその帰行にかんじるのはすべてのおとが世のそ

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2015年04月09日09:10

 【鞣】  肌であるには反映が要るたちかたのうすいひとらが手にもつひかりを交換するときずっとたかいななめの場からきらきらなめされるていでたがいのあわいてもちにうまのうすいはだがとおるみみをすませばこの世あの世とはやがけしてゆくものがあるあぶ

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 【ディオールと私〜デザインの梅干】 本日の北海道新聞夕刊に当方の月イチ連載「サブカルの海を泳ぐ」の第13回が掲載されています。 今回扱ったのは、五月から札幌を皮切りにロードショー公開されるフレデリック・チェン監督のドキュメンタリー『ディオー

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2015年04月08日08:16

 【束】  たばであることにかたちの謝意があるふくすうをまとめさしだすにやりよくしかもそれが顔をかくすのだからみずからもあいまいな数本にかわるのだひとつかのたむけはかるくつかまれてゆれのようなものをあいだへつたえるにぎるほうのゆびもつかのま

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2015年04月07日09:24

 【隣】  あらゆるものにりんかくのないおぼつかなさをよろこんだのだからきっとゆめのほとりにいたのだはるかぜがゆるやかにながれればからだという陰阜もながれるひそかなる斜面とはそのようにみずからを中途にかえるさそいでそこに杭をたてることなどで

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2015年04月03日09:15

 【蝋】  ひによこたわってやわらくなってゆくわたしをのぼりつめてゆくひかりのようなものがあるこすれからうまれだすからだぜんたいのながさはむしのそぞろゆく廊下でないならむしろ蝋化とよぶべきだろうつめがしんじゅいろにとけかいなふたつがこんせき

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2015年04月02日03:38

 【鉤】  どんどんおおきくあおくなるきもちわるいものをせおっているおもみが肉へおもみをたててこぶともなればせなかがまがるよろけてとおるぜんしんがこわばるまがりを架けられてはく息までもが鉤へと転じどこか木片めく不器用にはまるもえでるものの一

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