【金砂】 きのぼりをしているのはわたしの眼だいちやはげしいあめかぜであれはてるとぬれがきいろいじゅうたんをおおってちりしくということがいちょうのもとですぎさり対いまのおそろしさをおびたけれどもこのまなざしはえだを這いのこり葉のすくなさを
【メモ】 唄うのではなく、書くことを始原とした現在の詩作においては、「文」を反契機に詩が出現するのを手許に待たなければならない。もちろん文の説明性、小説的な時空の連続性(換喩性)は、息をする詩では息によってこわれてゆく(息をしない詩が調
【針】 短針のないとけいのまるさへ愛の上手なひとにいざなわれたうえはらひろみトリオライヴゆびのかこいをたてものにしてしろやくろへはわせるはやさおとをはじくのでなく、つかむそのせつなにすべてこぼれてゆくきのうやあしたなどにじまずいまだけの
【ゼノンたち】 この世にあまたある血のいろの蒲柳はわたしらののぞみがゆらしている線をよわくするためのみちびきだがまるで手まねきにおもえてしまいじしんがていもなくまねかれてゆくいつだつとは橋をえらびあやまることかわもそのものをわたるしくじ
【ろてき】 とうにしんでしまったせんだつのゆめをみるととてもやるせなくいえでまっているといわれながらそのいえにさえたどりつけずにさみしいかわべりをゆきまよったおわりをみすえてじさつするときがひとへのほんとうの時刻だろうそれでもよのなかは
【旅の呼吸】 いつもおくれて車内にあらわれたとびらがとうにしまってからだったにくたいがそんなだとしるものがあらわれにかげをかかげたぶんだけとびらにもうまく寄りそうことができおたるへむかう海が頬でもあふれたひかるかげんでかたほうとなってゆ