【創成】 ゆきかうひとらに雨傘がふえてそらの雲はささえられだしている さきごろまでうすいふちのカップでときを透く葛湯をのみすぎつましくうすくなったくちびるは 傘をかたげ天からのかんろをくらいあなへいれようとひらくこのとき傘とすがたの分裂
今日3月16日、札幌の試写でみた白石和彌の『死刑にいたる病』が大傑作だった。キャスティングを記すだけで、何かネタバレの域を踏み躙りそうなので、全部抽象的なメモ書きで行く。 ・拘置所の面会スペースのガラス張りの「向こう」に比較を絶して聡明で礼
【丘珠】 ひこう場のれんげのあたりにあの丘珠璃子はいただろう みぎひだり、あしんめとりいのかおをもつきれいなむすめからだがかすんであおを発する それでも腕や脚、それらはどこへとつながっていたのかあらゆる双数のゆめへとだろう春のけはいは数
【返照】 まうえのゆきぞらをみあげ雪がひとみへふるにまかせた くびからうえのまどをひやしてただの空ではなくときをうつしたなみだとともにまぼろしがにじんだ ゆっくりといちばへつどってくるゆうがたびとのけんぞくとなったがみあげることがやすり