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日記一覧

秋風
2020年09月30日11:48

 【秋風】  しずかな肩をならべたのはからだにおなじところのあるよろこびを確かめるためで頭部はそれで昂揚したがたがいに同異であるその頭には昏れなければ真の並置もなかったもようのちがう皿ふたつふかく泣くとはそんなことだ 

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かつらむき
2020年09月28日15:27

 【かつらむき】  かつらむきのしずかなたのしさはゆうべ、ものごとのひと肌すべてがすけてとおくみていると知ることこころにひそむこがねの梨ならむかれてまるくゆうべのめぐりのひかりまでうすくしずめるのだからひめごとへは庖丁をあてなくては 

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2020年09月27日12:00

 【頰】上野健一    頰を授かりました頰のみを授かりましただから寄り添います寄り添わせてください   ※『インカレポエトリ 第3号・犀』から。作者は慶大生。欠損と憧憬に感動した。コロナ禍の短詩。  

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駙馬
2020年09月27日11:49

 【駙馬】  下る無人舟に沿い河原をゆけばゆるやかな順いがうすく戴冠され車駕の苦労のあれるいしみちを秋霧おもたく駙馬も連れそう 

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蝦夷竜胆
2020年09月24日18:42

 【蝦夷竜胆】  はじらってりんだうにそむきらりれりろりら、すずふるひとをみぎ手のむらさきとおもうのもしぐさの受動にラ行が流浪するから 

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薫物
2020年09月23日12:14

 【薫物】  くちびるを傷んだ花酒でしめらすとかおあかりがほろほろとくずれたたきものにふれたのか、露ではなく 

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2020年09月12日06:55

 【珠】  あわく日陰にあじさいがゆれてのひらを索めるのだから珠によりささえられる生もあるうるわしい複屈折のこの日複語尾のように言をさそって 

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2020年09月10日06:57

 【坂】  坂道には上るか下るかしかないことにある夜暗然としてあゆみおぼえる頂きのさらなる上に星がまたたくとどの詩型がしめしてくれただろうみあげてもある、ひとのにおいの奈落はくだり坂だけの無辺をさきぶれする 

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ふかみまで
2020年09月07日08:14

 【ふかみまで】  太幹にも鍵孔あるふかしぎを詩の拠る傷とふわり大悟しふかみまで舌の泡を挿すのだ 

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同一
2020年09月06日06:46

 【同一】  如実という語には如と実がありおんなのひとみをみてとまどうがととのいの語調や風韻にすぎずいなみさえくろくしずかにおくまる劫初からのおよびがたいどういつ 

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えりあん
2020年09月05日09:57

 【えりあん】  りんかくのままにくりぬかれ穴となってやさしむ弦月はうらがわの蜜をあおく傾ける 

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山越
2020年09月03日16:10

 【山越】  おりてくる雨つぶひとつひとつにはめぐりの雨がぼんやりと映ってたがいに和す退転の他者にたぐえた 

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粗餐
2020年09月01日08:03

 【粗餐】  ひとりする餉は天より吊られあやとりがしろくつづいたのち粥椀を虚にかえすまでの幾許 

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