【下天】 最高に蜜をふくんだぶどうがとどき房こそがかたちのひかりとそえられたわたしらのくちるまでみとおすのだゆきむしが天へいたらぬかなしみごと
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【夜明け、マグダレナ】 ひろがるさかいめのなさをおもえばそらが夜よりもながいのは自明かそらのみだらな赤裸をかんがえぬため香油のしたたりのようにまとわれる在ってない一糸だけをとおみした
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【飾り画】 ひそかに飾り画がゆめみられた主客など一如とはうそぶけず身につけたおまえをぬぐひかり空き壜の底へ翅を置くいとなみも
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【はくおし】 かどをまがるたび秋がふえてただ肌となり透く影をながしたまみへの箔押しの、とつおいつに
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【背界】 背界、とこれからは書くことにしたかぎりなくゆくうつくしいせなかくびのなくとおい馬群のゆうぐれだ
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【異風】 むらさきがかったかちいろになると葦束にしてかかえ商秋をわたるがみずべ衆とよばれる異風でしかなく
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【ゆあみ】 あさの湯につかり脚をくんでいるとゆらぎつつそこ、下弦をなしてげんかいが骨折しているとみえたまつろわぬため、まことみずからが
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