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日記一覧

2020年11月03日07:49

 【禾】  そこにあることの羇旅がありうしろへすてるさみしさもあったものみな有情とすべきなのかかわべりの骨となる禾のおおさ 

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下天
2020年10月30日09:48

 【下天】  最高に蜜をふくんだぶどうがとどき房こそがかたちのひかりとそえられたわたしらのくちるまでみとおすのだゆきむしが天へいたらぬかなしみごと 

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夜明け、マグダレナ
2020年10月28日01:53

 【夜明け、マグダレナ】  ひろがるさかいめのなさをおもえばそらが夜よりもながいのは自明かそらのみだらな赤裸をかんがえぬため香油のしたたりのようにまとわれる在ってない一糸だけをとおみした 

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飾り画
2020年10月13日06:21

 【飾り画】  ひそかに飾り画がゆめみられた主客など一如とはうそぶけず身につけたおまえをぬぐひかり空き壜の底へ翅を置くいとなみも 

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はくおし
2020年10月09日08:21

 【はくおし】  かどをまがるたび秋がふえてただ肌となり透く影をながしたまみへの箔押しの、とつおいつに 

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背界
2020年10月06日17:41

 【背界】  背界、とこれからは書くことにしたかぎりなくゆくうつくしいせなかくびのなくとおい馬群のゆうぐれだ 

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異風
2020年10月05日08:27

 【異風】  むらさきがかったかちいろになると葦束にしてかかえ商秋をわたるがみずべ衆とよばれる異風でしかなく 

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ゆあみ
2020年10月02日12:33

 【ゆあみ】  あさの湯につかり脚をくんでいるとゆらぎつつそこ、下弦をなしてげんかいが骨折しているとみえたまつろわぬため、まことみずからが 

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秋風
2020年09月30日11:48

 【秋風】  しずかな肩をならべたのはからだにおなじところのあるよろこびを確かめるためで頭部はそれで昂揚したがたがいに同異であるその頭には昏れなければ真の並置もなかったもようのちがう皿ふたつふかく泣くとはそんなことだ 

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かつらむき
2020年09月28日15:27

 【かつらむき】  かつらむきのしずかなたのしさはゆうべ、ものごとのひと肌すべてがすけてとおくみていると知ることこころにひそむこがねの梨ならむかれてまるくゆうべのめぐりのひかりまでうすくしずめるのだからひめごとへは庖丁をあてなくては 

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2020年09月27日12:00

 【頰】上野健一    頰を授かりました頰のみを授かりましただから寄り添います寄り添わせてください   ※『インカレポエトリ 第3号・犀』から。作者は慶大生。欠損と憧憬に感動した。コロナ禍の短詩。  

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駙馬
2020年09月27日11:49

 【駙馬】  下る無人舟に沿い河原をゆけばゆるやかな順いがうすく戴冠され車駕の苦労のあれるいしみちを秋霧おもたく駙馬も連れそう 

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蝦夷竜胆
2020年09月24日18:42

 【蝦夷竜胆】  はじらってりんだうにそむきらりれりろりら、すずふるひとをみぎ手のむらさきとおもうのもしぐさの受動にラ行が流浪するから 

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薫物
2020年09月23日12:14

 【薫物】  くちびるを傷んだ花酒でしめらすとかおあかりがほろほろとくずれたたきものにふれたのか、露ではなく 

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2020年09月12日06:55

 【珠】  あわく日陰にあじさいがゆれてのひらを索めるのだから珠によりささえられる生もあるうるわしい複屈折のこの日複語尾のように言をさそって 

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2020年09月10日06:57

 【坂】  坂道には上るか下るかしかないことにある夜暗然としてあゆみおぼえる頂きのさらなる上に星がまたたくとどの詩型がしめしてくれただろうみあげてもある、ひとのにおいの奈落はくだり坂だけの無辺をさきぶれする 

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ふかみまで
2020年09月07日08:14

 【ふかみまで】  太幹にも鍵孔あるふかしぎを詩の拠る傷とふわり大悟しふかみまで舌の泡を挿すのだ 

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同一
2020年09月06日06:46

 【同一】  如実という語には如と実がありおんなのひとみをみてとまどうがととのいの語調や風韻にすぎずいなみさえくろくしずかにおくまる劫初からのおよびがたいどういつ 

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えりあん
2020年09月05日09:57

 【えりあん】  りんかくのままにくりぬかれ穴となってやさしむ弦月はうらがわの蜜をあおく傾ける 

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山越
2020年09月03日16:10

 【山越】  おりてくる雨つぶひとつひとつにはめぐりの雨がぼんやりと映ってたがいに和す退転の他者にたぐえた 

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粗餐
2020年09月01日08:03

 【粗餐】  ひとりする餉は天より吊られあやとりがしろくつづいたのち粥椀を虚にかえすまでの幾許 

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異説
2020年08月31日16:24

 【異説】  風が吹いてゆるされるのだから風をえて野へと連れ立てば足りる聴えをやめ、ながれちる異説も彗さながらひく躯ふたつさえ無蓋の荷台で搬びさられるなら 

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二篇
2020年08月30日22:16

 ●二篇   【マスク】  鹿のつらへおきかえるかわりにかおのなかばをマスクでおおうのだかくて眼のものになり受胎となりいどころに他家の軒をえらべばひとなかばのすがたも気疎くはなれふるびているからくずおれる     【ふるはる】  やがておの

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ぬかれる
2020年08月14日09:30

 【ぬかれる】  めつむって手のひらでなぞるにはしずけく刳りぬかれた凹半球がよくおくまるひみつへふれて頭をたれあわせてぬかれる、すさぶたまなど 

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無心
2020年08月13日09:18

 【無心】  まなざしをながくすると中途がかすれているとわかるなにごともおんなの裸身めいてえいぞうのはるか夏道をまみに汲み、しろくみなおぼえる 

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左右
2020年08月12日07:22

 【左右】  みずへふかくしずめるとおぼろをますくだものふたつにそのときの左右ならあるがみなそこをわたる秋風でまどいやがてともにふかくほぐれる 

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こびと
2020年08月10日13:10

 【こびと】  めつむって推敲するのがうれしいこまかくことなりがうかびかつきえしねまをみあきないのとおなじ短躯とされて矯めもゆれるがかぎりあるもののかぎりへのみみずからの刃は向く、こののちも 

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2020年08月07日18:26

 【星】  なみだをながすというのはかおがぶんれつすることだがくらい眺望になじみだすとさらに、さらにとおくのひとに顔の起源がよみがえっているあれらこそ交易される星と 

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各層
2020年08月05日18:24

 【各層】  あの欅までとおもうがゆきわずらいほんとうの位置は植域だけとおそれたとなりあいも過誤さながらゆらいでひとつあるべき見神の悍ましくあまた 

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共鳴
2020年08月04日18:46

 【共鳴】  よみとけぬ文書はちいさくきざみひとつずつをひそかにはこんで恩ある樹雨に共鳴するのをまったこころもすでに荷とすらいえず自余は自他の、からだのこりだけ 

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