【曲率】 すべて曲率を思いにしまうのがさみしく、ひとの世だった しぐさをみやるさいにもそれはりんかくにゆらめきこまかくみえかくれして このひと月もぽぷらの絮の舞いすがたが曲率になりかわりうすいおもかげをかえしたまがりぐあいがひとかずだっ
【堂宇】 並走するあれら二頭のあいだも走っているの伝でゆくならぬらそうと掬った手のなかでみずもそれじたいをぬれている 聖なる歌にはこの二原理しかなくにくたいにのせたすがたさえ分離がひかりになっているのだ かばんではなく声帯をたずさえてひ
【馭者】 すすめてゆき、のこりではなくそれまでこそ減ってゆくとおぼえ浪費にうっとりすることがある ひとへこまかい地名をのせてひとをかんがえつくすときなど ぷらたなすほかをかぞえたがそれぞれのかどが固有をつげてみえることがもうぜいたくだっ
【今紫】 よるにまぎれ櫂でこぎいまむらさきのいる浜へおとをたてずにちかづいた たっするまでしずかにが自戒だったが泣きたくなった くもがわれてぜんしんが月かげで捕縛されてみるとよせてはかえす波そのものにきみわるくかわっていて 身を推敲して