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日記一覧

メモ102
2018年06月29日19:18

 102 樹下想像の図と画題されればもう影ではない影がうかびおもえぬおもいはみだらづくゆうぐれビーストの斑のごとし回、ともみえて回をつたえる 

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倉石信乃・使い
2018年06月28日01:33

 送られてきた倉石信乃の第一詩集『使い』(思潮社、黒い光沢紙に指紋のついたようなカバーが、タイトルとあいまってとてもホラーだ)をさっそく読む。親炙してきた彼の写真評論からすると、とてもヘンな文体。ひさしぶりに文体の奇異な詩集を堪能したという

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メモ101
2018年06月27日08:29

 101 いっときに時間がはめこまれていてそのありさまがもうスタンツェだまなざしが失明を裏箔させるようにおとみな失聴の予感で薄ごおりしまぢかであればよりうつくしくなるやがて声には聴像の部屋割りもうまれくわけがましろにもえさかるだろう 

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メモ100
2018年06月26日06:31

 100 百の橋をわたりゆくようなみずのながれるとおくがすきでひかりにはぎをいれずみされあの世この世と綾までうまれるひとまたひとのあやめのさまからみずひそむまなぞこふかくへとあらんかぎりの糸をまねいた 

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メモ99
2018年06月25日04:03

 99 釦をとめるのは肌をかくすのではなくみもだえるからだをまとめるためでことなりにも倦みそめた詩のおまえは同異のあやうさから詩魔となるのだ 

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メモ98
2018年06月24日12:09

 98 ソラをおもえばさらにとおいシドにこがれてしまう日はりんかくが水のみずからなすみおのようにもみだれはて茄子のうえへうつらなかった 

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メモ97
2018年06月19日10:17

 97 すぎた日は俗耳をこめかみ下にたてここがふるい器官だとつたえるとみることのないあながあたまにありふるえだけをしろうとしているしそれもしろあやめのさだめとかえされひかりまとうくずれでなおも耳殻をわたがしのようにながすわたくし 

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メモ96
2018年06月18日07:44

 96 朝ぶろのあとにうつくしく湯ざめしてからだにある真珠をくもらせている事後はことばだ、寡言をまもるための 

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メモ95
2018年06月17日14:14

 95 べつのすがたかおになるのがいやであたまを天にうずめるのもいやででるときには帽子をかぶらなかったやまふじのころのかぜのかおりけれどおなじさにこだわりもなくこだちのなかでは髪へ羽根をつけてかわやでないことにうっとりした 

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メモ94
2018年06月16日09:42

 94 とりかごをかなでるようにふとみえるたてごとはだきごこちがうまく添い瑞鳥ながれやまぬいくつものかなたにまどおくふかいなにものかをおいてないことのあいださえ糸竹でひからす 

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メモ93
2018年06月15日07:25

 93 途中は恥しいので消滅後をみてくれふるびた始祖鳥にそうつげられて思いそのものをとおくおもいながらまなざしはそらの奈落をくだった 

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メモ92
2018年06月13日08:41

 92 天へときえたロンドの跡地にはむすめらの靴がおおくのこり墓原さながらあれはてているがしろみがかりぼやけた雨足がおのれの幽玄を靴に容れてさみしくまわろうともしている 

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メモ91
2018年06月12日14:44

 91 クセのようなものだが空咳をするとしきつめられた灰が林野をはねてする者と聴く者そんなふたりにふえはるかという域にさえいるのだと泉下がのみどをあかるく超えいでる 

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メモ90
2018年06月11日08:28

 90 じさつするタイプのイヌかもしれないつかれとうれい、その度合がすぎてほとりにちかづくとはおそれがうまれ恐水もひとつの形而上学とわかるあめがふりだすとみんなあめのむこう 

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恋する人間
2018年06月08日19:05

 去年の北大文学研究科主催の、社会人に向けた全9回の公開講座「恋する人間」が、高校生にもわかる口語体講演原稿集として、一本になりました。鈴木幸人編『恋する人間』、北海道大学出版会、2600円+税。阿部は9人の演者のトップバッターとして、トッド・

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メモ89
2018年06月07日01:04

 89 したしさがまもられみまかったとはいえながらくあいさえしなかったのだからとむらわれるかたみの不通がいたくありまぐのりあとおく夜目の葉すべてもはんげつのなりにひっそりと咲いていた 

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メモ88
2018年06月06日07:36

 88 はなれてさえいるルピナスときりたっぷをともにかたろうとするなら双方ではなくむしろ同時性のもつ肉のゆれというべきをあいだあいだのまことのとまどいとしてくちでしずませひからせなければならない 

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メモ87
2018年06月05日04:41

 87 自転車がもしあたえられたならはしりながらする休息と夜にあおみがかる肺をおおきくさせすぎさるまちまちのさかいへところのほうぼうをひるがえしてまわることのすべてで泣かせる 

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メモ86
2018年06月04日07:57

 86 うごきを停めているうつくしさが水晶にひそむとかんじることがあり槌で割りだすときに映画が起こるふたたびうごきだしたなにかはぬれよしんばことばでもかねごとだし人面牛身、くだんのばけものだった 

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メモ85
2018年06月02日11:42

 85 三点をきめればまんなかを爆破できるそんな流儀で二兎をしとめてきたのだがいつの旅もかずの魔にたぶらかされるゆめごこちのそぞろあるきだったとひとつ三兎を世にあまらせてくるしむ 

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公開講座
2018年06月02日08:39

 再来週水曜夜、社会人受講者にむけた公開講座にてゴダールの『女と男のいる舗道』を講ずる予定で、いまその準備をしている。60年代ゴダールはすでに山田宏一さんの『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』や細川晋さんのDVDブックレット等により、その複

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メモ84
2018年06月01日07:11

 84 斬りとばされて生首のみおろすのがあしたのなかのきのうなのだからだきよせる時の間もえだわかれして相手以前の塩のはしらまでめでる 

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