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日記一覧

花眼
2022年12月30日10:02

 【花眼】  晩年ってよびかけがおもいみえないものがみえてくると花眼にのぞみをかけられて からだそのもののまどをみましたふるやのつたの壁を背にしてかべがからだのかたちにひらきひとのむこうがのぞけました なんにもこわいことはないひとつあるのは

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福音
2022年12月28日17:17

 【福音】  福音のみでなりたつ詩をつむように屋上にゆめみる失明へむかっているのか ゆきふる屋上でとおくたつあのひとのむねのあたりときいろのりぼんがとうとうほどけてゆくのを裸視する もはらわたくし、とうずまくあれらみながけどおい福音 たより

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風紋
2022年12月13日16:55

 【風紋】  あなたがさったのち残された座面にいくばくか砂の散っていたことはものものしい家財を震撼させた わたしらはものがたらぬためくうきへむかい気弱にかたるがうたがいをよんだあの身ひとつは顚末に似ておそろしくかんじた そらとおく砂が

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貫通
2022年12月09日08:50

 【貫通】  つぶやきながらながめる癖がありゆきぞらをみあげていたおりもそらのころもとくちごもっていた 内外どちらともいいがたい層にほろびの錫がうすぐらくみちかずのおおさでこころがくちたひとをおそれるならただみあげればおともなく箔はみずから

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海雨
2022年11月25日07:21

 【海雨】  もとはひとつひとつのつぶなのに万條のいとにみえるあの降雨がせつなく海をなかせているだろう えきたいがけぶるふゆのさわだちに傘のうちでこたえなければならず みなあのひとの累乗になりかわってかたみに海上をあるいてゆくのだ傘をさせる

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影絵
2022年11月22日08:34

 【影絵】  れいじゅうてき、とこのくちが発しつめたさがあさぎりにひろがった 到来はすでにきらきらとみちていたみさきはきえることで海を抱いてみっつめのそんざいをおもった わたしは再帰によってわたしとなりしずかなおくれをみおろしていたうまやの

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隠顕
2022年11月15日20:20

 【隠顕】  じぶんにはおおげさにしないよすてみだからことばもほそくする 縦のものがはるかにみえる日がありそれでも塔がさほどたかくないとたかをくくり手許のならびをつくる 横のものがはるかにみえる日にはとおくが層になってことばがでない領域とは

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赤柴
2022年11月11日10:54

 【赤柴】  ゆうがたにもらわれてきて牝らしく、あかねとなづけたおさないころはもっとあかかった くさのはらをともにあるくとあしもとにほのおがゆれたなづけじたいがおどるとおもえはじめて詩のあらわれをかんじた 底からよわくわきあがりながらひくさ

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線虫
2022年11月08日08:34

 【線虫】  モノには線などないという真理はみずからまわす腕をながめてわかる レオナルドも晩年は線の否定にいたりとことん明暗差を彫琢していっただからいま線が悔いとかかわりをもつ そらをゆくかぜが、ころものひだがそそぐ陽光すら線でしめされると

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水翅
2022年11月02日08:29

 【水翅】  手からほのおをぬきかわいたみずをなでる あいしかたはそれだけでゆきつもどりつがかたらうしぐさとなった そらからの反映でものみなほのびかるひるまだからながれる川のほんの水面下でくらい水翅にふれたかったんだ 手がつめたく櫂にかわり

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党派
2022年10月28日11:28

 【党派】  党派がたったひとりであることもしっぱいする多数であることもともに顔の集合としてはうるわしい すまほがふるえ、すがたがかがみよわさにみなむすばれていった 森となってゆきかうひとさえとしよりでも生徒のなりをしてすねをきゃはんできゃ

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IH
2022年10月25日08:57

  【IH】  ゆがんだ同心円はうつくしいめのう、めらんこりぃの断面をせくすへなぞらえてゆめみる ほのおのなくなったすまいでもうれうどうしの同心がもとめられもう擦ることのないマッチのこんなてもとに玉髄がうかんだ すくなくほそくいきていればゆ

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飲水
2022年10月12日04:42

 【飲水】  卓上ふかくコップのみずは詩さながらしずかにおかれるあなたがあふれようとしている まみずにこそわたしらはたえなければならない最少の連関で最少のよるをそれもゆびのつづきとなった なきながら黄金を呑むとわかさならうたいあげたろうがも

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並行
2022年10月07日09:50

 【並行】  あのひととは並行になっていてはなればなれにすすんでいるそんなときにそらのみえるものだ 旅に似た慮外がわくとすればおなじくふかい異風にいること ななかまどが赤の凝縮になるまでまなこがただ中動してゆくとさみしさにもよはくがひろがっ

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川神
2022年09月22日09:37

 【川神】  雨中風中にあえぐ橋をみたわたすおのれがわたられてしまうまことおののいてゆらいでいた すべての具象は沈下橋なのだだがなぜ木でつくられているのかしずんでやがて再誕するものがなぜみあげる木目をもつのか みちびきがつづくのみではなくま

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煉瓦
2022年09月19日14:56

 【煉瓦】  このてのひらはおもいつめていなほのひろがりではなくだれかの割るレンガへとつづく とつおいつ秋にはつづくのだおとが破壊のさきぶれだったと おのれのあくがれがものをなぞりのこしてゆくたいせきを忌むかかわれば身にならうなにかがだれも

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繭蔵
2022年09月17日09:25

 【繭蔵】  きぬをたべているひとがいるいとをすいつつ、まゆもほおばる手からくちへなめらかがうつる まとうべきもので内壁をおおってきもののようにくずれてゆく坐ひとをすこしほめるためには横死とくゆうのひらたさも要る そこからの漿などないのにく

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月齢
2022年09月11日05:57

 【月齢】  ひとの途中がすきなので着替えるすがたにみいられるそれでもそんざいをけすようなぬののゆれる着物でなければ 粉塵をふくむ月光にまぎれ着替えはとおくおこなわれる秋のぬのがきらきらと舞う もちづきのもとのあれはだれ途中をちらす叛意もみ

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秋湯
2022年09月08日10:30

 【秋湯】  からだの秋が冬へとなりまさるそれをゆげのなかでかんじるためこの季節のふろに入りだした はだの悲は湯にひたされてしずんでゆくふかみでとろける ゆぶねはかんおけの予習だがおゆのなかだちもあるのだふろに入る理由はあまたありよさもぬく

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無双
2022年08月26日10:25

 【無双】  よい理由とはすでにひゆなのだと人死にのつたわる地でおもったてんまどからひかりがおりていた ずっとふたつというあらわれに身を割ってなげいていたころ そもふたりづれのあまたがものへのひゆよりもうつくしくあれは母娘、あれは姉妹とさい

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L字
2022年08月24日07:43

 【L字】  ひがわりでとうざい南北にまくらをおきかえるべくL字型のベッドも公案されたが ねごとすれば声が鉤に包まれしゅゆのうちにはかなくなった ねむりはすすきへとわけいりおきぬけなぞぎんいろに詩の舌がしばられてかたくものをいうとほねもにお

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著莪
2022年08月08日06:09

 【著莪】  とうげをぬけようとしてこめつぶがぱらぱらとふりありがたく鉄鉢でうけた 凪ぐなのか薙ぐなのかみあげた仏すらわからず炊くやすらいへむかおうとつぎの谷におりていった 抹香の尾をほそく引くくだりのひとこまずつがつながらぬ連鎖のよう 身

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耳栓
2022年08月04日07:56

 【耳栓】  ないてきな音楽を脳の風へみたし耳栓びとはひとみをかすませるおもいでとはちがうものがみえる だれもがみみにふかく栓をしてなかに未知をみつけたといいますどろからわいて蓮がこぼれだすしらくもが段になったあのなかに ひろく水にうく蓮葉

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短化
2022年07月19日10:39

 【短化】  なすをやいてすりつぶすしおとオリーヴのあぶらで和えだしを張っためしにのせる 一日一油、枯れもせずとおあさをかきこんでいる くらいおえてまなこがあおむやいた網のもようがのこるやいばはくらしにつかわない くんでするあぐらのかたちい

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舟舟
2022年07月13日06:10

 【舟舟】  そのまま湯舟を木舟にしたててあしのばしてそらをみあげるおとめもすなるかわくだりは水図へひのきをわたすことだが はかなくひびく道道の畳語がしずかな舟舟になりかわりこの世はおとのもときえてゆく 消滅のそんなばしょにこそはだか身のの

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忘失
2022年07月07日08:28

 【忘失】  羽に異なるで、なんで翼なのかそうおもって詩がうずいた まえあしふたつのきえかたはそのものが竜のとまどいやがては忘失がそらをゆきかう それでも山色のつばさでなくくちばしがおのれをはこぶもとめる忘失も木の実や虫でそこへいたるまでが

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曲率
2022年06月26日07:28

 【曲率】  すべて曲率を思いにしまうのがさみしく、ひとの世だった しぐさをみやるさいにもそれはりんかくにゆらめきこまかくみえかくれして このひと月もぽぷらの絮の舞いすがたが曲率になりかわりうすいおもかげをかえしたまがりぐあいがひとかずだっ

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堂宇
2022年06月19日11:20

 【堂宇】  並走するあれら二頭のあいだも走っているの伝でゆくならぬらそうと掬った手のなかでみずもそれじたいをぬれている 聖なる歌にはこの二原理しかなくにくたいにのせたすがたさえ分離がひかりになっているのだ かばんではなく声帯をたずさえてひ

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馭者
2022年06月14日07:54

 【馭者】  すすめてゆき、のこりではなくそれまでこそ減ってゆくとおぼえ浪費にうっとりすることがある ひとへこまかい地名をのせてひとをかんがえつくすときなど ぷらたなすほかをかぞえたがそれぞれのかどが固有をつげてみえることがもうぜいたくだっ

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今紫
2022年06月09日11:05

 【今紫】  よるにまぎれ櫂でこぎいまむらさきのいる浜へおとをたてずにちかづいた たっするまでしずかにが自戒だったが泣きたくなった くもがわれてぜんしんが月かげで捕縛されてみるとよせてはかえす波そのものにきみわるくかわっていて 身を推敲して

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