【なきもののゆれ】 よみだす詩集を手もとに立てたりせずそれでもそれを柱とするため身がまえをかんがえることから息のありかたをはじめる それはうつわかもしれないきんいろのほそいふちそこへくちびるをよせるようにこころなどちぢめてゆくと 紙のな
160 ひみつめく手のひらがうちがわを作りあげゆびはとがってうごきおのれのまぼろしを裂く妓の手踊りがおこなう過去あることのなやましさきそわれた姸がおとろえやがてそこへ雪がふる
159 本土のくちなわをあがなったがいろくずだけをながめるものにした水に放てば素早く移るだろうがなまなましいスローモーションをふる雪にもとおくおぼえるため輪のくずれたそのかたちが要った
158 ながれおもる川にゆきどまってみえたものがじぶんだとおもったたたずめばそこがみぎわだからよってむかうことをふかめる梁でからだの屋根をしろくまかせる