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日記一覧
- 大庭みな子
- 2021年07月27日13:46
「女は善良な男を蔑むが、それは、男の善良さが女の欠陥に寛容であることが腹立たしいからなのだ」（大庭みな子）読みようによっては、これまた異なったふうに解釈されてしまいそうで、その意味では多義性があるといえるのかどうか。または深読みのしすぎか。
- 軍の表札を多摩川に捨てる
- 2021年07月22日12:05
大庭みな子の「オレゴン十夜」を読み出す。戦中、津田塾にも軍が駐屯、部隊の表札を津田塾の校門にぶらさげる。むかついた寮生がその表札を多摩川に捨てた。スゴイ話だ。 うちの村はお蚕様の村だった。桑は霜に弱い。そんなあやうい時期には、村に自衛隊の
- アーサー・Ｃ．クラーク『２００１年宇宙の旅』（ハヤカワ文庫ＳＦ）
- 2021年07月21日09:56
わたしたちは、極大さと極小さのあいだにて宙づりされているようなものだ（パスカルがかつて述べたように）。つまり、宇宙という極大さと、電子、素粒子などといった極小さの間ということで、この両者にはアナロジーがありえる。（はて、このわたしたちとい
- 福永武彦『死の島』上・下（河出書房新社）
- 2021年07月17日10:43
ストーリー的にも構成的にも解き明かしがたい作品について触れることは容易ではない。 しかし補助線を描くような試みで、拙いながらも、英文、スペイン語文にて要約してみて、ありがたいことにようやく日本文でもなにか綴れるような気持ちになった。 主人
- セルフィッシュな生き方
- 2021年07月10日13:42
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世界はどこから変わっていくのか。もちろん小説なんかで変わっていくわけないのは承知の上。シャツのロゴ、デザインから変わっていくと言うひとたちがいる。たとえばコロナヴィールスにどんな思いを寄せるか。なかには亡くなり、仕事をなくし、路頭に迷って地
- エクトル・アギラル・カミン「月のあやまち」（セイス・バラル社）
- 2021年07月02日12:24
よその国のひとにはわからない家庭事情、というのが展開していき、それはとくにメキシコのいなかなどではよくありがちなことに思える。とはいうものの、ニホンだってちょっと田舎に足を踏み入れると、ときとしておどろおどろしい世界が拡がってくることがある
- 庭に入ってきたら
- 2021年07月01日13:51
カナダとかではまったく殺人的な猛暑におそわれている。辟易しているのは人のみにあらず。クマとかも同様。ネットでは今回にかぎらず人家の庭のプールに水浴びに来るクマの動画が少なくない。でもカナダ人はわりとのんびりと撮影、子どもなどは笑い声をもらず
- 福永武彦『死の島』上
- 2021年06月26日13:16
この作品へ近づくべく、シベリウスを聴く。 初めて聴いたのは渋谷公会堂にてでヴァイオリン協奏曲だったと覚えている。 この作品はちょうど半世紀前のもの、あの頃はただ暗ければ意味がある、と思われていた時代ではなかっただろうか。 冒頭から重苦しい
- 福永を読み出す
- 2021年06月20日12:59
福永武彦の「死の島」を読み出す。読んでいるのは文藝文庫版ではなく河出書房新社の初版の単行本。ちょうど半世紀前の作品ということで遅まきながら戦後派に該当するといってもよいのではないだろうか。つまりイメージに振り回されているようなナラティヴだ
- コリン・ウイルソン『アウトサイダー』（集英社文庫）
- 2021年06月19日12:08
イギリスという階級社会にあって強靱な意志力にめぐまれた著者は、社会に異を唱えるひとたちをめぐって広範な研究を著わした。ときは１９５６年で、レビ・ストロースによって実存哲学に懐疑が投げかけられる直前。では現在での有効性はいかなるものか。とこ
- ミニフィクション２９
- 2021年06月16日13:25
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（ミニフィクション２９） 湖を見たことがあるか訊いてごらん。もちろんさ。うちのいなかの真ん中にあったんだけど、なんといってもやたらとでかい湖だったな。海のような湖といってもすぐにはぴんとこないだろうね。岸辺には何艘かボートがあるんだけど、漕
- 触診物語
- 2021年06月15日13:11
当地での健康保険の所轄クリニックの変更があるということで、先日、新しいクリニックへと顔を出した。現在の医学は検査重視というか偏重であることは誰もが存じている。たとえば触診の軽視（これにはプライバシーの問題もあるのかも）。ニホンの医者におなか
- クンデラのカフカ賞
- 2021年06月13日12:59
ミラン・クンデラはもう九十二歳、今週はハルキももらったカフカ賞の授与式があったものの、長いことパリに住んでいるクンデラは駐フランス・チェコ大使館に出向かなかった。今ではクンデラと祖国たるチェコは和解しているとわたしたちは了解。しかしながら実
- サボテンの花
- 2021年06月12日13:15
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沙漠のどこかにはいずみがある。 サボテンはといえば、どこもかしこも棘ばかりだが、秘跡のように花を隠し持つ。 サボテンを信じることをやめてはいけない。 サボテンの根元には希望と未来の芽が息づいている。 棘はぼくらの血に飢（かつ）えているが、
- やる気さえあれば、やれないものはない。。。（精神論かいな？）
- 2021年06月03日13:24
メキシコでは本日、一日だけで、八十一万六千三百八十分のコロナワクチンを接種、今までのなかで最大という話。十月までには１８歳以上はすべてワクチン接種されるだろう、という話。すごいね。官民一体というところだものね。接種会場もお祭り気分、さあて、
- お魚のみる夢
- 2021年05月31日12:48
新鮮なお魚が食べたい。鮨がイイなんてゼイタクは言わない。刺身を山のように食べたい。はたして再び、ニホンの地を踏むことができるのだろうか。 ニホンではバイキングというと、刺身とワサビを山のように盛り付けていた（おい、お里が知れるぜ）。でもな
- ひとの顔をしたワクチン接種
- 2021年05月24日13:26
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コロナ・ワクチンの会場、メキシコシティーにとうとうバットマンあらわる。踊る。はたして唄って、というところまでは芸達者ではあらぬと思われるが、これでワクチン接種者のストレスを和らげようという狙いらしい。この日は五十歳から五十九歳までの最終日。
- ジョン・バース『 旅路の果て』（白水社Ｕブックス）
- 2021年05月17日13:00
もしそれが出来るものと仮定して正常と異常とに二分した場合、異常の領域に振り分けることができるような人物と世界。社会に適応していくことはかならずしも難儀をともなうものではない。しかしそこに人間関係がかかわってくると話はかわる。しかも過剰な論
- 大江健三郎『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』（新潮社）とオクタビオ・パス
- 2021年05月10日08:52
（１） メキシコではメキシコ性について考察する、という文化伝統がある。メキシコというのは何だろうか、と考えるのである。そのひとつの優れた達成としてたとえばオクタビオ・パスの「孤独の迷路」なる著作もある。そこではアプリオリにメキシコというのが
- シケイロスの版画
- 2021年05月05日13:41
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明日かあさってには大江の『�瓩燭轡▲淵戰襦Ε螢� 総毛立ちつ身まかりつ』が読み終えるはず。大江の作品にはしばしばメキシコが描かれる。個人的にも大江がいたエル・コレヒオ・デ・メヒコに在籍したことがあるわたしとしては決して他人とは思えないところが
- 第二回目接種
- 2021年05月04日12:07
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第一回目からちょっと間があいたのでヤキモキするところもあったが、今週の木曜に二回目のコロナワクチン接種とのこと。ところが木曜はクラスがあって、さて。。。うちの自治体では今日からで、名字によってわけられる。第一回目では、夕方には当該の名字でな
- マルグリット・ユルスナル『ハドリアヌス帝の回想』（新しい世界の文学・白水社）
- 2021年04月27日11:32
遙かな昔においてギリシャ・ローマ世界はわたしたちの精神の拠り所であると見なすこともできたはず。しかし時がすぎてみると、オリエント世界の存在がとても気になりだしてきたものだ。 ギリシャでは永遠としての現在が生きてたはず、一方でローマ世界はそ
- コロナ禍での展示延長
- 2021年04月14日10:07
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九月から十二月の予定であったモジリアニと同時代画家展、コロナ禍にあってご多分にもれず、開催の縮小。それでもわたしは見に行ってきた（前に触れたはず）。年が明けてこのところ事情がやや好転したのか、ふたたび開催。それで今日も二回目として参じる。も
- 玉村豊男『晴耕雨読ときどきワイン』（中公文庫）
- 2021年04月12日12:40
軽井沢なんてわたしには、あまり縁がないようにみえる。ちょっとしたひとは、夏になると軽井沢へと発っていく。中国史の中島先生も夏には段ボールに本を詰め込んで軽井沢に引きこもるとか話していたっけ。でもわたしなんかでは軽井沢になんかとうてい家が持
- アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』（ハヤカワ文庫）
- 2021年04月07日12:23
映画版は強烈であった、という印象を抱いているが、なんせもう半世紀もまえのことになるので、ほんとはほとんど覚えていない（笑）。 始まりはヴァイオレンス、というのはよく知られていて、それに徒党という記号が加わる。しかしおそらく誰も言っていない
- イタロ・カルヴィーノ『むずかしい愛』（岩波文庫）
- 2021年03月28日14:47
むずかしい愛、さて、愛なるものはむずかしいのだろうか。ある種の特定の条件のしたでのみ、愛を思い起こさせるようなものが絡み合ってくる、いや、言い方が逆だな、どうにも形容しようのないようなものが形を造ってきて、どう言えばいいかわからないまま、
- 檀一雄『美味放浪記』（中公文庫）
- 2021年03月25日12:19
著者の尋常ならざる放浪・漫遊および雑食の豊かさのまえでは、わたしのとぼしい経験なんて吹けば飛ぶようなもの。今さら何をいわんや。しかしながらすでに半世紀、ここで描かれているのはほとんど異国といってもいいようで、釣られて現地へ飛んだからといっ
- ワクチン・ラプソディ
- 2021年03月23日14:45
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本日、ようやくのことでコロナワクチンの一回目の注射を受けることができた。すごい列で、じっさい、６時間かかった。待っているあいだにしっかり本が読めたのは嬉しいが。こちらではこのワクチンのことで話は持ちきり。自治体によってその出自はことなってい
- 檀の美味
- 2021年03月15日14:54
檀の美味放浪記を読み始めた（というか、もうしばらく読んでいる）。旅を好むひとは少なくない。そして旅のひとつの醍醐味はそのご馳走にあることだろう。べつにご馳走でなくてもローカルな食べ物というだけでいい。とはいっても、ニホンどこにいても、どこ
- 古井由吉『仮往生伝試文』（講談社文芸文庫）
- 2021年03月10日14:46
往生なんてずっと向こうにあるものだと思い込みやすいが、じつはすでに隣り合わせているのかもしらず。 往生を前にして、ひとの心は引き締まる。 その意味では常住坐臥、往生を意識していなければならず、心ならずもモンテーニュの方へと引き摺られそう。
