ニホン人はなかなか英語が身につかないことになっている。
おそらくは語学力以上にハートの問題かもしれないが。
ここに多読への秘密を明かしてくれる書籍あり。
簡単な話、要はとばし読み。
いくら語学力を磨いてみたところで、一頁に未知のボギャブラリーが一つ以上出てくることはまず間違いない。
そこで辞書をひくことにより人は挫折するのだと本書は説く。
つまり、几帳面でいてはいけないのだ。
飛ばし読み、というのは、分からないことばはじっくり検討するのではなく、類推してそのまま続けろ、ということだ。
これは勘にも因るだろう。
中学三年の英語の定期試験で、ちょっとした応用の長文問題(といってもたいした長文ではない)が出て、いなかの学校であるから、米国映画を観るようなたまはいないところで、soldierという語をクラスでわたしだけが「兵士」と訳した(こういう自慢話って気色わるいとは思うが)。
なぜかすんなりと「兵士」だろうと思ったのだ。
わたしのアカデミック生活なんて未知の語彙との戦いだと要約したほうがいい。
学部3、4年のときのフランス史ゼミでは受講者がわたしひとりで、フランスの宗教改革について仏語文献を読んだ(正確には、フランスでの聖書の仏語訳化運動について)。
知らない単語をせっせと調べておく余裕なんてなかったから、ある程度、ぶっつけ本番で望まなくてはならなかった。
すでに古典ギリシャ語もラテン語も学んでいたから、当てるのは得意だと思っていた。
でも、ときとしてトンデモ訳をおかしてしまうことがあって困った(笑)。
それで、いまはスペイン語の本を、ほとんど辞書を用いずに読んでいて、本書に綴られていることを実践しているので、著者へのシンパシーを感じた。
あとは、英語のほうもしっかり読みこなしていくことだろうか。
ああ、また自分のことばかり語ってしまった。
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