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2015年08月31日12:19

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あなたの心に

 
【あなたの心に】
 
土曜日は横浜中華街の中華料理店で、小学校の同窓会だった。ぼくのかよったのは江ノ電でいうと極楽寺にある稲村ヶ崎小学校で、年一度の同窓会が二十年以上にわたり励行されるほど仲がよい。鎌倉は一般的なイメージとしては観光地だろうが、江ノ電沿線住民は田舎者の朴訥さをもって育ってきていて、その呑気さ、気軽さがいまだに同窓会で一挙によみがえるのだろうとおもう。
 
いつもいうのだけど、稲小の同窓会では、なんかみなが混浴しているようにリラックスしてしまう。子供のときにおたがいの身体がちかかったという感覚は、時を超える。とりわけ稲小の同級女子は美人揃いで、加齢してもどこかに華やかな感触がのこって、それで心地よい混浴気分にひたれるのだろうとおもう。
 
ただしぼくが北海道に行ってからは日程があわず、今回の同窓会出席は三年ぶりだった。すると女子がぐんと肥ってきている。五〇代後半とはそういう時期なのだろう。男子も女子も「持病談義」がぐっと多くなって、そういう話題が緑内障以外にないぼくは、見た目も同窓生の平均値からはずれているので、すこしヘンな浮き上がりをするみたいだ。それを友だちは「雰囲気が妖しげ」というので、「東南アジアのブローカーみたいでしょ」と返すと、「そうそう、そんな感じ」と、精確な自己把握を感心されたりする。教員の立場や詩作者の立場では物を話さず、ひたすらバカらしい話柄に終始する。
 
一次会の中華料理屋が終わり、二次会は関内駅前でカラオケ。カラオケは選曲のラクさからいうと、同世代と愉しむにかぎるが、おおくの同級生のこのむレパートリーは、カラオケ絶頂期が関連してバブル時代のものが多い。ぼくはみんなの記憶と身体感覚をたかめるため、こういうときは小学校〜中学校時代のヒット曲をことさら唄う。なにを唄ったかを自慢するのは控えるが、一曲だけ、必殺のレパートリーにつき言及しておこう。
 
中山千夏「あなたの心に」。これを澄んだ女子声で唄うと、みなが談笑の最中でも、自然に会話がとまり、耳が澄まされることになる。歌詞も曲も、フォーキィ&歌謡曲調のアレンジの時代色も良いのだ。耳に涼風が走る。歌メロの跳びかたに飛躍感と開放感があり、じつは日本型フォークに似ていない。ちなみに作詞は才女で売った中山千夏自身だが、作曲はなんと都倉俊一。フィンガー5やペドロ&カプリシャスよりも5年以上前、ピンクレディからは10年以上前の、都倉アーリーワークスなのも、知るひとぞ知るところだ。お試しあれ。
 
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