[難易度:2、時間:25分]
ずいぶん昔、僕が20代半ばの頃のことですので30年ほど前のお話。
経緯はよく覚えていないのですがお酒を飲みに行こうよとお誘いを受けたことがありました。
大阪はなんば、大国町あたりに地酒の品揃えが豊富なお店があるとのこと。しかも面白いのはお酒を汲むのがセルフサービスになっていること。お酒はどれでも一杯500円。店に入ると枡だかコップだかを渡されてあとは自分で汲みに行って自分で伝票に正の字を書いていくという──なんとも大雑把というかおおらかというかそんなんで商売が成り立つのかしらんと他人事ながら店の経営を危ぶみました。ま、店はいつも千客万来の大賑わいとのことでしたので、たかだか1、2杯の損失が出たとしても十分お釣りが返ってくるくらいには儲かっていたのでしょう。
結局、日が合わなかったり忙しさに取り紛れてその店に行くことは叶わなかったのですが今でも時々、見たことのない店の喧騒を夢想することがあります。
そんなお店で出される料理なら凝ったものよりこの料理のようにシンプルな肴が似つかわしい。そんな店に夕食を食べに入る人はあまりいないでしょうから。あくまでも酒の肴、つまみになるものがうるさくなくて良い気がします。
あれから30年。あの店に行くことはついになかったけれど、ときたま家で冷酒を戴きながらこんな肴に舌鼓を打ってお店気分を味わっております。
[材料](2人分)
・いわし:4尾
・卵:1個
・塩、ブラックペッパー:少々
・薄力粉:少々
・パン粉:適宜
・揚げ油:適宜
[下ごしらえパート]
・塩:少々
・酒:15g(大匙1)
[作り方]
1.いわしは頭を落として腹開きにしてワタを取り除きます。中骨と身の間に包丁の刃先を入れて骨を持ち上げ指で挽いて尾のところで折って取り外します。これをバットに並べて[下ごしらえパート]をまんべんなく振り10分置きます。
※イワシに塩、酒を振ると臭み抜きになります。
2.1.をやっている間に卵はよく溶いておきます。10分経ったら揚げ油を温め始めます。いわしに塩、ブラックペッパー→薄力粉の順でまぶし、卵をくぐらせてパン粉をまぶします。
3.揚げ油が170度に温まったらいわしを投入して1分半揚げます。ひっくり返して更に1分半揚げればできあがり。
[備考]
・軽さが身上のフライです。家で作って揚げたてを頂くと食感がさっくさくで美味しいですよ。スーパーのお惣菜はお手軽だけどこの食感のことを思うと自作に軍配が上がります。
・そのまま食べても塩、胡椒が利いているので美味しいですがやっぱりウスターソースをどばどばかけて食べたいところ。魚介のフライにはタルタルソースも美味しいですが僕はソース派かな。
・付け合せは千切りキャベツやきゅうりにミニトマトなどサラダ系の野菜を合わせてみてください。野菜ごとマヨネーズを付けて食べるのもいけますよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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