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2015年11月02日05:42

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近況

 
渋谷ユーロスペースで公開がはじまった池田千尋監督・脚本『東京の日』の劇場プログラムに原稿を書いています。ひさしぶりに稿料のいただける映画評。風景と心情の「放心」に焦点を当て、稀薄さが何によってうつくしいのかを綴りました。池田監督といえば『東南角部屋二階の女』が著名ですが、来年公開予定、黒沢清監督の『クリーピー』の脚本も、監督と共同で手がけています。
 
それにしても、どんどん映画評論家としての活動が減ってきている。ほとんど北海道にいて試写会に行けず、ビジネスチャンスがつくれないのだから当然なのですが(札幌にも試写があり、案内もいただくのですが、いつも日程が合わない)、なにか札幌の風土が学術研究的なアプローチのみをうながすようで、授業準備以外にこのんでみる映画も、DVD鑑賞による、ふるいものばかり。ときたま札幌のロードショー館やミニシアターで観る新作につき、ネットで映画評をしるすだけになっています。それでも(長い原稿なのに)外部ブログで意外な拍手数をいただくこともあります。
 
そんな不完全な立ち位置なので、仕事がどんどん詩に傾斜してくる。自発的に書いている詩以外にも、詩にまつわる評論、詩誌から依頼される詩稿で、なにかひっきりなしに〆切をこなしている感触があります(北海道新聞の月イチコラムもあるけれども)。一人暮らしのしずかさ、学生の地味さなどが環境の大半なので、どんどん東京発の情報にも疎くなってくる。現代思想系の本を読むことが多く、内実も世俗ばなれしてきて、このさきどうなるのか、自分でもよくわからない。とまあ、気弱なことを書いているなあ。
 
今日はオールデイ授業&オフィスアワーなので、〆切前倒しで昨日、「現代詩手帖」の年鑑アンケート回答原稿を作成し、編集部にメールしました。これが終わるといよいよ年末という感慨。例年だとこのあと所属講座の機関誌「層」の長稿作成という大任に臨むのですが、前号の発行がすでに半年以上遅れていて、今年はどうなるのかわからない。扱いたいものは長短それぞれ二案あるのですが、引用文献を中心に、そのどちらの準備をすべきなのか。これが定まらないので、不安定な感触がいやましています。
 
それにしても今年はこころ惹かれる新作映画がすくなかった。当たりは十分の一の確率ではないか。東京の、映画学校系の若手作品が観たいなあ。依頼してDVDを送ってもらうこともできるのだけど、出来が意に添わずノーメンションの不義理になってしまうのが怖くて、以前のようには積極的なメールのやりとりをしなくなっている。札幌の自宅に届いてくる東京での試写状の束に、ためいきをつくばかり。しかももうじき、雪だ――
 
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