[難易度:2、時間:9分]
元号が文化文政の頃。明治維新まであと70年、西暦でいうと1800年に入ったばかりの頃、まぐろの豊漁が続いたそうです。いっぱい穫れるのは嬉しいけれど冷蔵庫のない時代にそんなに穫れても持て余すばかり。
少しでも長持ちさせようと刺し身を醤油に漬ける方法が考案されました。いわゆるヅケですね。これを酢飯と合わせたのが江戸間の握り寿司の始まりだと言われています。初めて食べる鮪の寿司はさぞ新鮮な味がしたことでしょう。けど、いくら美味しくても毎日毎日寿司ばかり食べていたら早晩飽きてしまっていたに違いありません。
ひもじい思いをするよりはずっとマシではあっても大量に同じ食材があって毎日毎日同じおかずというのは別の意味で地獄です。美味しんぼのエピソードにも鰹漁の漁師が刺し身に飽きてマヨネーズに浸けて食べたら美味しかったなんて話が出てきましたっけ。
今年も去年に続いてカツオが豊漁らしくてスーパーでたたきが安く売られています。晩酌用についつい買っちゃうのですが毎度、わさび醤油やポン酢におろしにんにくばかりでは飽きてしまう。豆板醤と合わせて中華冷菜風にしてみたり納豆と混ぜ込んだこともありましたがもっと根本的に違うものが食べたくなりました。
で、ネットを検索していて見つけたのがこれ。
カツオのタタキに火を通す!
いやいや刺し身ですらなくなってるし。けど、なかなか興味をそそられる献立だったのでおっかなびっくり試作&試食してみました。
[材料](1人分)
・鰹のタタキ(刺し身でもOK):100g
・薄力粉:適宜
・揚げ油:48g(大匙4)
・玉ねぎ:1/4個
・人参:1cmの輪切り
[漬けダレ]
・ポン酢:27g(大匙1.5)
・砂糖:3g(小匙1)
・だし汁(かつお出汁):15g(大匙1)
・鷹の爪(小口切り):半本
[作り方]
1.玉ねぎと人参は細切りにします。器に[漬けダレ]を合わせて玉ねぎ、人参を加えてよく和えます。
2.フライパンに揚げ油を入れて180度に温めます。待っている間に鰹のタタキを7mm厚に切って薄く薄力粉をまぶします。
3.揚げ油が温まったら鰹のタタキを入れて片面30秒ずつ両面揚げます。油をよく切って1.に加えてよく和えればできあがり。できれば冷蔵庫で冷やして戴きましょう。
[備考]
・食感は生利節に似ています(って当たり前か)。しっかりした歯ごたえなのに刺し身の新鮮さが残っているのが面白い。けっこうヤミツキになる酒肴です。
・漬けダレはきっちり三杯酢を調合して作っても良いのですがポン酢を使うとお手軽に作れます。そしてポン酢と鰹はとても相性が良いのです。
・お好みでおろしにんにくを加えると風味が変わって楽しいですよ。
・鰹以外にマグロやブリの刺身でも作れます。
ということで、よければ一度お試しください。
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