[難易度:2、時間:15分](冷やす時間は含めていません)
俳句に季語があるように料理にも季節感というものがあります。
真夏におせち料理ばりの重詰を出されたりしたら「なんか違う」って多くの人が思っちゃいますよね。あれはやっぱりお正月に戴くからありがたみがある気がします。柏餅は年中出回っている和菓子ですがやっぱり五月人形にそなえられているのが似つかわしい。
それだけでなく料理が持つ風味、温度などで食べたくなる季節が定まってくるものもたくさんあります。かき氷やキンキンに冷えたビールは真夏に汗をかきながら食べるから美味しいのであって吹雪の中で食べてもちっとも美味しくありません。たぶん。
逆に木枯しの季節には熱々の豚汁や甘酒など飲みたくなるのも人情です(江戸の昔、甘酒は冷やして飲むもので夏の風物詩だったようですが)。
おでんもまた然り。
♪覚えてますか、寒い夜。赤ちょうちんに誘われて。おでんをたくさん買いました。
かぐや姫の歌の文句にあるように寒いからこそおでんはありがたみがあると思うのです。イマドキは真夏にもおでんを売っているコンビニもあるようですが汗だくになりながらおでんをふうふう吹いている構図はちょっと……いやかなり暑苦しい。
でも、ちょっと待って。おでんがアツアツでなければいけないと誰が決めた? 真夏にキンキンに冷えたおでんを戴くのってどうよ? ふとそんなことを考えてしまったのです。
幸い21世紀の現代には文明の利器「冷蔵庫」があります。暑いと思い込まれている料理を氷点まで冷やすのは造作もないこと。ということでさっそく試作してみました。
[材料](2人分)
・卵:2個
・ミニトマト:10個
・オクラ:8本
・平天:4枚
[つゆパート]
・だし汁(昆布とかつおの合わせ出汁):400g(カップ2)
・濃口醤油:36g(大匙2)
・味醂:36g(大匙2)
・酒:30g(大匙2)
・生姜:スライス2枚を千切りに
[作り方]
1.卵は水から茹でて半熟卵にします(沸騰してから6〜7分が目安です)。同じ茹でヘタを取ったオクラを2分茹でます。いずれも茹で上がったら氷水に投入して急冷します。
※卵は沸騰した湯に入れると殻が割れる恐れがあるので必ず水から茹でてください。
2.1.と並行してトマトはヘタを取っておきます。平天は熱湯をかけて油抜きをしておきます。
3.1.2.と並行して[つゆパート]を小鍋に合わせてひと煮立ちさせておきます。これにすべての具材を入れて粗熱がとれるまで冷まします。丼などに移して冷蔵庫でしっかり冷やせばできあがり。
[備考]
・しっかり冷えたおでんは暑い日のごちそうです。ぜひビールや冷酒片手に夕涼みしながら戴いてくださいな。
・具材は脂質を含まない野菜類がオススメ。特にトマト、茄子、オクラのように色の濃い夏野菜は見た目も鮮やかで清涼感を演出してくれます。蛇の目に包丁を入れた胡瓜などもイケますよ。
・卵は黄身がとろんとなった半熟がおすすめ。熱々おでんでは火が通ってしまってかなわないのですが、これも冷製おでんならではの楽しみ方ですね。
・逆に肉やソーセージなど脂質を含むものは冷えると脂が固まってしまってあまり美味しくありません。見た目も損ないますのでオススメしない具材です。
ということで、よければ一度お試しください。
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