mixiユーザー(id:1299833)

2020年06月12日11:35

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徳田秋聲『縮図』(筑摩書房)

 芸者たる銀子の半生記、というにはあまりに短い期間、わずかにほとんど二十歳までの行状を記したもの。波瀾万丈で浮き沈みがはげしい。そのはげしさは読んで味わうのにちょうどよいあんばいだといえるかもしれない。より厳しいはげしさに翻弄された女はおそらくいくらでもいただろうから。その意味では銀子を通じて当時の社会をのぞき込んでいるという感じ。その全体性を描こうと志す著者に感服。
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