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2018年09月07日06:57

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報告2

 
【報告2】
 
深夜ちかくになって、テレビの地上波画面がようやく自宅の受像機に出るようになり、11時台のニュースで初めて動画状態から地震の災禍を確認した。とりわけ胆振・厚真の山腹の大規模崩落、札幌市清田区の液状化の惨状に息を呑み、自分も体験する可能性大だった、停電の不如意のなかの市民のくるしみ、それもやはり他人事ではなかった。すすきの交差点の停電は深夜段階でもまだ実況されていた。北大の事務も機能停止だったらしく、事務メールが一切舞い込んできていない。北区の大停電に北大も巻き込まれているのだろう。電話確認したところでは、断水も付帯しているようだ。北18条あたりを居住の中心とする下宿生たち、命はともかく生活は大丈夫だろうか。女房は、ぼくの暮らす地域の復電が優先されたのは、震災復旧に重要な自衛隊駐屯地を控えているためだろう、とメールをくれた。
 
北海道新聞もなんとか懸命に発刊を続けているが、昨日の夕刊が4個面、今朝が16個面と、まだ通常の面数にもどっていない。写真構成。衝撃的な二段見出しの乱舞。じつはあすの夕刊文化面に、先月の第二土曜日=海の日の夕刊休刊のあと、ふた月ぶりに第二土曜日用のぼくの連載コラムが載るはずだったのだが、特別紙面のため文化欄全体が「飛ぶ」公算もあると担当者がいう。札幌公開直後の三宅唱監督『きみの鳥はうたえる』、おなじく濱口竜介監督『寝ても覚めても』、さらには11月にロードショー開始の武正晴監督『銃』を、三宅監督の旧作『Playback』を扇の要にして書いた、いわば濃密な原稿だ。ただし昨日の札幌中心部から自宅への帰路、停電をしいられてシアターキノは閉じていたし、札幌市民にしても地震の惨状に共苦して映画マインドにはなれないだろう。土曜夕刊の文化面が飛んだとしても、いたしかたない事情がそうしてある。
 
書き落としていたが、昨日、どこかノスタルジックな記事を書いた理由のひとつに、トンボがあった。トンボは秋が到来すると、大雪山での「避暑」を卒業して札幌などの地上に降りてくる。その群舞の数が並大抵ではない。いや、「舞」の字はふさわしくない。高速で多方向にスイッ、スイッと角ばって飛び、人体の間際で旋回したりする。まるでこちらの頰を斬りそうないきおいなのだ。一瞥でそんなトンボが空中に数百匹みえる。そういう日が札幌では年に数日あり、昨日はベランダで外のようすを確認した朝から帰途の夕方ちかくまで、たえずトンボとともにあったのだった。それが人々のすがたとあいまって、きっとノスタルジアをつくった。
 
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