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2017年06月22日20:01

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くびと肩のふたり

 
【くびと肩のふたり】
 
 
詩集ゲラをよみすすめてゆくと
わたがしのなかへとくびが
はめこまれるとかんじた
いきがあまくうすくつまった
そのまえに波動かなにかで
そいつがはずれていたのだが
みずからなした詩の時空は
はずれてゆくからだの部位を
うけとめたうえでなおさら
かすかにするはたらきもあった
はずれたくびが双肩にむけ
よわくふかくよびかけていて
頭上図のかんけいというものだ
聖性をはかりつつ線をひいた
はずれるとは松下育男の
へんな詩にもあった動詞だが
はずれた主体のさいごは
玄関からそらへとみちびかれ
その恐怖がうつしかった
きっとひとみながみずから
くびをはずしむかうあいてに
わたしたいとねがっている
このことをなしたむこうみずが
ことばを脈からはずしたてがらで
ひじりともよばれるはずだが
はずしてわたそうとすると
こころみるまにかたちをなさず
あわくただようのがふしぎだ
わたそうとする場所も舟になり
くらげ島へかえるみちすがら
しぬのかとふとかんがえる
詩集ゲラをよみすすめてゆけば
きしからぼやけたわだつみへ
さいごのわたが舞っていて
雌雄の異株のさみしさは
ぽふらをこえひろがっている
くうかんがふめいになれば
おのれをしわぶき頭上へなくす
かばんもかけられない肩とくびの
この世には雌株もまれだから
ふたり以下のみえないふたりへ
ひとりがかわるだけだった
 
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