mixiユーザー(id:163513)

2017年04月11日16:21

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日に数分だけ

 
【日に数分だけ】
 
 
日に数分だけすきとおっているところを
つめたいあめのなかでみつめられた
めぶきだしたやなぎのようだといわれて
とうめいがあまたの線でゆれるらしかった
ひかりの帯でわかれているへだたりに
あやうさをみつめるひとみだけおきたく
病むか歇むかするじかんをうすくまとった
在も不在もきっとてつがくのうちにあり
詩はおもうままおもわない不作為でつきた
かんがえるまえのそんなおもうがなぜ
ことばをわりだすおとになってゆくのか
すきとおっているから発語に主部がおちて
あたえないやりかたがあたえを黙契する
からだのめぐりといきさつの日めくり
脱衣後のゆめをてつがくと詩があらそい
ことばのさわりどころをたがえていた
おぼえぬほどゆるやかな花いかだは
うすいかなしみでうかびながれて
おわりのコーダは聴けばひだにとむが
ちいさなひるがえりをのこすにすぎない
スローモーションをみていたのだろう
こばむこころねがゆれることばでゆれた
いうそばからきえてゆくとうめいを
てつがくは生きず詩はきえにしたがう
みらいはさきではなくあいだにある
それでさけているくちびるがかなしんだ
日に数分だけすきとおるあやうさが
いきるうえの自慰に似てしまう度量を
いまもみやこにいるならよこたえた
 
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