mixiユーザー(id:1299833)

2016年02月04日13:53

244 view

大田直子『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書)

 映画字幕には語学堪能であることが求められると思うが、じつはニホン語のセンスこそ重要であり、すべて字数との戦いである。
 その字幕制作の場がどれほど過酷であり、報われないものであるかが、このあいだ亡くなった著者が明かしてくれる。
 ただ訳してるだけではないのだ。
 注文に応じて迅速に制作しなくてはならないし、その内容について依頼主との理不尽な応対に神経がまいるという。
 映画そのものが売れなくては困るから、字幕制作者へのプレッシャーは大きいし、いまは映画公開のあとのDVD版での字幕でも変更やらいろいろトラブルがあるらしい。
 その字幕の語数問題では、ニホン語はまだ意味を集約できるからいい。
 これがスペイン語への字幕だったりすると、語数がずっと長いから制作者はたいへんだろうなと痛感する。
 たまたまニホン映画上映のさいのスペイン語字幕を見てると(というか、すごく関心を惹かれるので集中してしまう)、ああ、たいへんだなあ、と思ってしまう。
 この本は凄い本ではないが、著者のあくのあるパーソナリティーをかなり味わえる。
 でもこの本のタイトルって。。。
5 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年02月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829     

最近の日記