映画字幕には語学堪能であることが求められると思うが、じつはニホン語のセンスこそ重要であり、すべて字数との戦いである。
その字幕制作の場がどれほど過酷であり、報われないものであるかが、このあいだ亡くなった著者が明かしてくれる。
ただ訳してるだけではないのだ。
注文に応じて迅速に制作しなくてはならないし、その内容について依頼主との理不尽な応対に神経がまいるという。
映画そのものが売れなくては困るから、字幕制作者へのプレッシャーは大きいし、いまは映画公開のあとのDVD版での字幕でも変更やらいろいろトラブルがあるらしい。
その字幕の語数問題では、ニホン語はまだ意味を集約できるからいい。
これがスペイン語への字幕だったりすると、語数がずっと長いから制作者はたいへんだろうなと痛感する。
たまたまニホン映画上映のさいのスペイン語字幕を見てると(というか、すごく関心を惹かれるので集中してしまう)、ああ、たいへんだなあ、と思ってしまう。
この本は凄い本ではないが、著者のあくのあるパーソナリティーをかなり味わえる。
でもこの本のタイトルって。。。
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