[難易度:2、時間:15分]
結婚してから長女が生まれるまでの2年ばかりを西宮にあるアパートで暮らしました。酒飲みの性で新しい町に越すとついつい良さげな飲み屋がないか探してしまうんですよね。で、駅と家の丁度中間地点くらいに居心地の良い店を見つけまして、しばしば寄り道しては新妻に恨まれていました
そこの店の名物メニューにささみ明太子というのがありました。ささみを観音に開いて、大葉を敷き、切子の明太子を塗って巻きます。これにパン粉を付けて揚げた料理。単純だけど家で作るにはちと面倒なくらいには凝っていて、何より美味しかったな。似たようなことを考える人は海の向こうにもいらっしゃるようで、二十世紀の初めころにウクライナで生まれたこの料理はささみ明太子にちょっと似ています。ま、あちらには明太子はないので詰めるのはハーブとバターなのですが。ウクライナの首都キエフの名を冠したこの料理はロシア革命の煽りでお店がなくなってしまって一旦歴史の舞台から消滅したのですが第二次世界大戦後にソ連で復活したのだそうです。
[材料](2人分)
・鶏胸肉:1枚
・塩、ブラックペッパー:少々
・パセリ、チャイブなどのハーブ:適宜
・バター:10g×2
・溶き卵:適宜
・パン粉:適宜
・揚げ油:適宜
[作り方]
1.鶏胸肉は観音に開いて更にすりこぎなどで叩いて薄く伸ばします(穴を開けないよう注意)。これを二等分して塩、ブラックペッパーを軽くまぶし、微塵に切ったハーブと小さく切ったバターを並べて巻きます。
2.1.を溶き卵にくぐらせ、パン粉を付けます。これをバットに並べて冷蔵庫で5分休ませます。
3.2.をやっている間に揚げ油を170度に温めます。肉の継ぎ目を下にしてそっと入れ、そのまま2分ほど揚げます。ひっくり返して更に1分揚げればできあがり。
※口が開いてしまうとバターが溶け出して台無しになりますので慎重に入れましょう。
[備考]
・齧ると口いっぱいにバターとハーブの香りが広がってとっても幸せな気分になれます。ぜひぜひ、揚げたてを召し上がって下さい。
・3.の工程が少し難しくて失敗すると口が開いてバターが揚げ油に流れ出してしまいます。自身のない方は爪楊枝などで止めてから揚げ、食べる時に外すと良いかも。
・裏技で爪楊枝の代わりに太めのパスタで止めればそれごと食べることができます。
・ハーブはパセリやチャイブがオーソドックスですが、セロリの葉などでも風味が変わって楽しめますよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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