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日記一覧

メモ138
2018年08月19日14:05

 138 そうだどこでもない場所などいつでもたがいを遠見すればあいだにできるなかごろにはたとえば裸木をおきながくすくないはしごもたてかけようかないろのくやみがのぼれるように 

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メモ137
2018年08月15日07:53

 137 いずれの日に冥府へ移されても簞笥は簞笥のままであるのかつかれきったうすぎぬをまといおのれを透かしてはいないか 

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メモ136
2018年08月15日00:37

 136 疾くちりはてたという謂がなじまずゆっくり去ったとおぼえかえるとちかづいてくるような去りわざすら聯想がむかうほうの林からあって百もひとしれず十以下になったのか 

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メモ135
2018年08月14日06:28

 135 ひそかにひとを希望にするひとは布に織られて布をも希望にするやわらかくきぬずれするしたぎはただ音のよさからのみ履かれ繊維のほうが再帰よりすぐれるほぐれだすそのみずからによって 

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メモ134
2018年08月13日10:13

 134 その顔のそのかけがえのなさが恩寵と同時にぜつぼうなのだいっときは天漢のろうぜきと似てかざされた手でかくされてゆく 

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メモ133
2018年08月13日09:52

 133 あなたの左があなたの右とゆくことであるきがしずかにきらきらしているどうしてことの左右が気がかりなのかまふたつはけしてそれぞれではなくまなかの半分性のみあらわにするためだそれが宥められ、事後のゆめがうつる 

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雑感2018.08.12
2018年08月12日02:06

 【雑感2018.08.12】 ・蛸がその足の何本までを食べても蛸といわれるかが認識の脅威だろう。じっさい俳句は「自分の足を食べていて」、その状態に詩は憧れなければならない。結果、俳句が現今の詩に先んじて獲得したものは――詩がまるはだかの骨格で組織さ

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メモ132
2018年08月11日09:25

 132 なみだ塩をかすみ打ち野菜を泣かすすくなくしぼりややうつむいてめぐるもののはてを口へみたすときえるあらかたがきえにあらわれる 

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メモ131
2018年08月10日16:30

 131 ながれうごけば生きているとみえるとうめいな水は底知れぬ仮象だがあたえるためにはふところをやぶりおのれとして汲むのだ、星の井戸では 

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メモ130
2018年08月09日07:24

 130 からだに寝台をひそめているけだものはかたい屋根のうえでもみちてねむれるみずからのわずかにみずからをのせしずかな葦舟が銀漢にとどまりつづける 

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メモ129
2018年08月08日17:04

 129 いつのまにか弟子となったユダはいつのまにかのあいまいを生きいわしぐもにさえ悪衣をみあげた起こされてみたらあれ野がかがみでおのれがうまく映らなかっただけくぎりないことのにぶいひろがりは説法のゆめやくるしさと背理した 

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メモ128
2018年08月07日09:03

 128 みわたすことをしたからなのだろうか肩にみだれる夜風はとてもながい丈をもつ身も末ひろになっているのだそこまではわたしというへだてすらいつかゆくひとのむこうとなってここからの巾がひとつ無魂をつかむ 

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メモ127
2018年08月06日09:16

 127 わすれてくれるからへびやむかでをこのむ這いゆくながさがすくなさにもみえて苦よもぎの世ではおぼえている途中だけがほそくきえあうたがいのすがたとなる 

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メモ126
2018年08月05日02:09

 126 眼路つきるはてしに稲いねのみのるおくふかいこの世をながめにきたいまだしのことわりを物見しようと 

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メモ125
2018年08月03日19:42

 125 レヴィナス、つたうべきかんがえをおびふかいみどりの裏でかくれかまえるとおなじうする円を似た辞がおくまりすきまがおなじをことならせないようくすりらしく配剤されたくらい故意だとみずから知って呑みこみをおのれした 

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メモ124
2018年08月02日09:08

 124 ほそいもののいくつかがとおくにあってうすこがねにかがやくから時は疲れるあれらははしご、すくなさをあらわしてひかりが多すぎるほど使われる過ちをじんがいの通過になおもおきかえた廉でヤコブのすえのまなこみな冥くくぼみあかされぬ詩がゆめみの

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メモ123
2018年07月31日08:26

 123 やがてばらばらにわかれゆくときのひとらのうごきのかがやきとはなにかそれはかつてあったアゴラでおこり四囲のひろがりが幾輪にもなってまらるめのながめで水紋がおさまるはちすひとつのめぐりだとかたられた 

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メモ122
2018年07月30日01:41

 122 馬上が家となりすみかはせまいがゆかせればさきの草場さえ家だぼろのころもを帆のようにたてる 

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メモ121
2018年07月27日09:36

 121 あれこれ歩行補助具をゆめみるようになりどの地上がとおくうつされたそらなのか足なえたちがたくまれた錫のなにかをおし錫鳴きして円屋根を二重のさまでわたるなつとひとのそこにさかさのけはいあってめまいのなかをつかれがきらきらあるく 

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メモ120
2018年07月25日08:33

 120 こどもが球形をかんじるはじめがちかづく母親のめだまだろうがみずからみちるあじさい玉ならばあおい盲目のあふれなのだったすべて剪られ転がるさまにであいみるばちあたりで痴れ者になりつつ棄教のあたらしさをもふるえ聴く 

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メモ119
2018年07月24日06:17

 119 どこをさまよっても丈ひくい草の花ばかり木の花のない北十八条あたりはさびしいらいらっくを誇る心はさるすべりをうえず紫微とよばれるべきひろがりがかなしむ戸口からなつかしい官女のあらわれぬ朝に路上の長椅子は草花のふたりをひきこみ椅子のさま

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メモ118
2018年07月22日20:30

 118 夕日負いおのが影まですくいつつくらうことなどできたのちはゆくしかないこの黄泉のふくろへゆうがおの坂もみたしいれた旅装にてとおす、とおのれ恃んで 

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メモ117
2018年07月21日05:19

 117 だれかと家電話で語らっていたむかしは遠浅へおきさられた気がしたものだ凪ぎつづきの責めでふいにしろくなりひとを不如意棒のまま堰くしかなかった 

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メモ116
2018年07月19日19:18

 116 ひとのからだなど分割できないができそうになるもとに曲線がからみかたちの内省とみえてうつくしいそれはあなたではなくたとえば時でとおさとおもえるへだてもあっておわらぬなかばはつながりにきえる 

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メモ115
2018年07月18日08:27

 115 せなかだけみてそのものとわかるほどこべつはふぜいにふかくしみこんで場でみわけるやなぎとひとはちがうがいちど僧帽筋の語をおもいだすとだれでもない帽子のせなかもうごいて前をさりゆくふわふわが天金となる 

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昼顔
2018年07月17日20:07

 今日、永田耕衣のことをちょっと書いて、ふとおもいだしたのが、さきごろTV放映され録画でみた西谷弘監督の映画『昼顔』。クライマックス、北野先生(斎藤工)に死なれ(実際はまだ籍を抜けなかった嫉妬深い妻=伊藤歩に殺された恰好)、絶望のきわみにあ

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1968
2018年07月17日08:16

 こないだの道新の土曜夕刊、ぼくの連載コラムが載った。四方田犬彦さんが中心になって編んだ筑摩書房の「1968」シリーズ、1『文化』、2『文学』、3『漫画』の全巻終結を見据えた、紹介と論評。おおまかに1はジャンル別に論者が解説をおこなう体裁だが、

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メモ114
2018年07月16日08:07

 114 ピンクにぬられた家屋から数歩出たときぬまのようにしめった声の複数がぼくらだ音の知恵はみしらぬ生にあふれているとジェイム・ロビーがつれそってかたるので弱気と謙抑によりむくわれぬこともあるくびられゆくうたがあわれだといらえした 

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メモ113
2018年07月14日16:32

 113 レダが白鳥につつまれたときはなにが侵入しているのかわからずしろとやわらかさと厭な臭いであたまが身とわかれるようおぼえかえって増殖をよろこんだがそのいじましさこそめでられた 

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メモ112
2018年07月13日05:53

 112 面積なかばに貶められているとおもえするどいかたちゆえかなつもみあたらぬ三角形とはおそらくすがたですらなくゆめのゆめなるをいなむ抹消因子だろうものごとのきらきらする未然のような 

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