米国からイギリスへのソフト飲料のキャンペーンにサブリミナル効果が極秘に実施され、印象的な効果をあげる。
しかしそのキャンペーンは不法でもあることから、裏で大仕掛けの動きがひろがる。
そのストーリーの意外性は、わたしたちの住んでいる世界の意外性であり、その周辺人物まで丁寧に書き込まれ、リアルであることもふくめて、良質のサスペンスが抱える豊穣さがあますことなく語られる。
ということで、わたしはおおいに感心したのであるが、ニホンの出版界ではあまり相手にされていないことに少なからぬ不満を抱く。
(寡聞にして角川書店に<BOOK PLUS>シリーズがあったなんていうことを知らず。ラインアップは面白そう。しかしながらすでに終わってしまった模様。クレストブックにさえじゅうぶん対抗できそうな迫力をそなえているにもかかわらず、おそらく出版社側のバックアップがおろそかであったのか。もっともよっぽど腹をすえていないと、まともなブンガクの宣伝に喰いついてきてくれるひとたちなんていまの時代にはごくわずかなのかもしれない。まずはこのシリーズにめぐりあえたことを感謝!)
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