mixiユーザー(id:15969052)

2023年09月14日08:14

18 view

★日めくりレシピ(山食)★

[難易度:2、時間:夏場は150分、冬場は170分くらい]
職場の同期に「俺は男だ」を観て剣道を始め「エースをねらえ」がオンエアされてほどなくテニスに移行した男がおります。なんかわかりやす過ぎる動機w
ま、僕も人のことは言えなくて仮面ライダーの死神博士にあこがれて白衣を着て実験をしてみたいという理由で科学者になりたがったり、焼き立ての良い匂いに囲まれて仕事をするって素晴らしい──なんて思ってパン屋さんに憧れたり、あてもない旅に憧れて……電車の運転手になろうかしらんと考えたり(なんか違うだろw)と夢見がちな小学生でした。
である時、コンピューターに向かってキーボードを打っている姿が格好良いなとたぶん何かの映画かドラマを観て思っちゃったのでしょう。気が付けばシステムエンジニアという職業に就いて三十数年を過ごしました。それはそれで楽しかったな。
けど、案外子供の頃の途方もない夢を諦めたわけでもないんですよ。
大学では有機化学専攻だったので白衣を着て実験にいそしみました。電車の運転手にはなりませんでしたが一人旅でずいぶんあちこち行きましたし、SEの仕事で全国津々浦々に出張もしました。
そして──楽天市場の購入履歴によると2009年4月29日のことです。食パン用の型を購入しました。嫁には「どうせ2、3回焼いたら飽きてほこりを被ってるよ」と笑われたのですがその予想に反してそれから十数年、毎週食パンを焼く生活を続けています。
本職のパン屋さんにはならなかったけどキャリアだけはいっぱしのパン職人だなぁと自画自賛。根が凝り性なんでしょうね。食パンだけでなくあんパン、カレーパン、コルネ、マフィン、スミット、ケーク・サレ等々いろんなパンを焼きました。
で、過日ふと気づいたのです。そういえばこれだけ長いこと食パンを焼いているのにいつも角食(立方体の食パン)ばかりで山食を焼いたことがない。材料はたぶん一緒だけどいっぺんくらい焼いてみようかなと思い立って挑戦してみました。

[材料](1斤分)
 ・強力粉:260g
 ・塩:4g
 ・ケーキ用マーガリン:12g
 ・スキムミルク:10g
[予備発酵パート]
 ・ドライイースト:5g
 ・砂糖:19g
 ・ぬるま湯(40度くらい):171g(171ml)

[作り方]
 1.[予備発酵パート]を合わせて5分ほど置きます(予備発酵不要のドライイーストの場合は、直接[生地パート]と混ぜても可)。その間に残りの材料を大き目のボウルに合わせます。
 2.[予備発酵パート]を1.のボウルを合わせて一つにまとめます(指にまとわりついたものは捏ねる過程で自然にはがれるのであまり気にしなくてOKです)。生地を台に打ちつけるようにして150回くらい捏ねます。最初の30回くらいはゆるゆると、31回から70回くらいはテンポよく、71回から150回くらいは徐々に勢いを込めて、周りに生地が飛び散ったら回収しながら捏ねます。表面がつるっとなったらOKです。
 ※コツは親指、人差し指、中指の三本を生地にかけて遠心力で生地が伸びるように打ちつけます。この際、指から生地が離れないように気を付けます。
 3.2.のボウルに濡れ布巾をかけて温かいところで一次発酵させます。発酵時間は夏場は40分、冬場は50分が目安です。発酵させる場所は夏場は室内でもOK。冬場はコタツの中か、オーブンの発酵機能を使うのがおススメ。
 4.3.が二倍くらいに膨らんで、指を突っ込んでも生地が戻らなくなっていれば(フィンガーテスト)一次発酵完了。スケッパーで2等分して、濡れ布巾をかけ10分間休ませます(ベンチタイム)。
 5.4.を手で平たく伸ばして、手前からくるくると巻いていきます。巻き終わったら少し平らにして、巻き方向と垂直方向に三つ折りにして食パンの型の半分の面積に詰めます。残り半分のパン生地も同様にして食パンの型に詰め、蓋をせずに仕上げ発酵します。発酵時間は夏場は50分、冬場は60分が目安です。生地が型の上面から1〜1.5cmくらい盛り上がって膨らんでいればOK。
 6.180度のオーブンで5.を30分焼けばできあがり。焼きたてをすぐに型から抜いて、ケーキクーラーに載せて冷まします。あとはお好きな枚数に切り分けて冷凍保存します。

[備考]
 ・トーストにするとパリっとした食感が楽しめます。焼き立てをすぐに食べれば美味しさもひとしおですよ。残ったパンは冷凍保存してください。
 ・立方体型の食パンを角食、上に盛り上がった食パンを山食と呼ぶのはどうやら北海道と兵庫県(特に神戸市)独特の呼び名のようです。けど、僕は神戸出身なのでその呼び名がしっくりきます。
 ・角食、山食ともに材料はほぼ同じで型に蓋をするかどうかが異なります。蓋をする角食は生地の密度が高くなるのでしっとりとした食感。サンドイッチなどに向きます。山食は大きく膨らむので気泡も大きくなり軽い食感が身上。トースト向きでパリっと焼き上がります。
 ・元々、製パンはイギリスの技法に倣ったので戦前までは山食が主流だったそうです。戦後、進駐軍によってアメリカ式の角食が持ち込まれトレンドが角食に移っていったらしい。その名残で他の地域では山食のことをイギリスパンと呼んだりしていますね。

ということで、よければ一度お試しください。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年09月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930