未来社会よりも先の社会、つまりドラえもん的世界に科学的実証が伴う世界、といえばいいのだろうか。光の速さを超えた通信システムとか。科学的裏付けがふんだんになされたストーリーに読み手は酔う(まあ、すべてが理解可能ということではないが)。ブラックホールも怖れる相手ではなく、利用可能。そんな状態で五百頁を超す。
宇宙は人の価値判断を超越する。地上の倫理や道徳など通用しない。ましてや宇宙活劇なんてものは笑止千万。その勢いですべて通して欲しかったが、終盤にて失速。ややハリウッド物に似通ったところが出てくる。書き手の妥協か?読み手をきっぱり突き放してほしかった。
主人公がバスク人だというのが驚きで、トンガ島の存在感つよし。そんなエスニシティは宇宙論的にはどうなのか。
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