戦時中の軍事機密を扱い、そこに軍の利権、私利私欲がからむ。
建前だけのニホンでありながら、それを用いた差別も厳然と存在。
だれもがおなじ方向を向いて歩くように強いられているのに、肝心要なところで背反行為あり。
問題作であり、意欲作である(といっただけでは、何も伝わらないだろうが)。
特高と憲兵は国民を抑圧するための装置。
しかし、ちょうど陸軍と海軍とがおたがいを胡散臭く思っていたように、じつは特高と憲兵にも縄張り意識がつよく、いがみあうことがすくなくなかった、というのが具体的には、ひとつの驚き。
すべてのお役所仕事の延長でしかないものがそこにはあった。
読み応えあり。
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