mixiユーザー(id:1299833)

2019年10月19日12:45

34 view

葉真中顕『凍てつく太陽』(幻冬舎)

 戦時中の軍事機密を扱い、そこに軍の利権、私利私欲がからむ。
 建前だけのニホンでありながら、それを用いた差別も厳然と存在。
 だれもがおなじ方向を向いて歩くように強いられているのに、肝心要なところで背反行為あり。
 問題作であり、意欲作である(といっただけでは、何も伝わらないだろうが)。
 特高と憲兵は国民を抑圧するための装置。
 しかし、ちょうど陸軍と海軍とがおたがいを胡散臭く思っていたように、じつは特高と憲兵にも縄張り意識がつよく、いがみあうことがすくなくなかった、というのが具体的には、ひとつの驚き。
 すべてのお役所仕事の延長でしかないものがそこにはあった。
 読み応えあり。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年10月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の日記

もっと見る