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2019年09月11日12:23

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石川 九楊『 日本の文字ーー「無声の志向」の封印を解く』(ちくま新書)

 漢字というのはもともとは中国文明が生み出したもの、したがって中国の読み方しかなかったが、それがニホンにはいるとニホン語の意味によってあらたな音を付け加えられた。それが音読みと訓読みである。これはだれでも知っていること。
 
 漢字のことはイデオグラマといい、音よりもまず先に意味が存在する。
 漢字は表意文字であり、ひらがなとカタカナは表音文字である。
 毎学期、そんなことをわたしは繰り返している。
 そんな漢字を、鈴木孝夫は、ハイブリッド文字だとか、ずっと前に言った。
 ところが石川 九楊によれば、漢字の音なんてほとんど意味なくて、漢字の形そのものがすべてであると説明する。
 たしかに漢字はニホンをはじめ周辺の国に伝わったが、それぞれの国でも自分たちの音を付け加えた。

 この考え方は、いわゆるソシュールらのヨーロッパの考え方とは正反対。
 ことばというのは、話されたものがすべてで、書かれたものはほとんど遺骸である。

 話は複雑かもしれない。だが実は、知っているようでわたしたちは漢字の本質を知らないのではないか、ということ。
 このことは、時間をかけて自分で消化しなくてはならない問題でもある。
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