ニホンがヨーロッパに対してどんな眼差しを向けたかという点では、森親子を探ってみると、なかなかいい答えが出てきそう。
もっとも偉大すぎる父親に恵まれたとき、その子どもたちはなにを糧にして生きていけばいいのか、ということも思いつく。
ここに採り上げられた三つの作品の存在意義は、それなりに理解できる。
ただしわたしの本来の共感をよぶまでには至らなかったのは残念であるが。
ヨーロッパでは、あらゆる現象のもとには思想があるはず。
しかしながら、それをいかに換骨奪胎するかについては、まずは困難であるが、結果的にはときには成功することもあるはず。
わたしにとっては、この作品集は成功した類いに含まれていないと思わざるを得ない。
作者の内面を考えてしまうが、それは本来の文芸批評からは隔たってしまうかもしれない。
これまたよく繰り返される話ではあるが。
(わたしがこの著者についてあまりに無知である、ということもあるのだが)
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