昨日、廊下を歩いていると清掃の名まえばかりの控え室の前で脚を投げ出している若い男の子がいる。
驚いたことに本を読んでいるのだ。
いま流行のことばでいうとアウトソーシングとかいう下請けの掃除の男の子は、中卒程度ではないだろうか。
読んでいる本をさっそく盗み見る。
するとあの「百年の孤独」ではないか。
それも読み始めではなく、どうやら半ばに近いらしい。
わたしは眼を疑ったほどだった。
30年もメキシコにいると街中やら乗り物で時たま「百年の孤独」なんてものを読んでいるひとに出会うことがある。
しかし、こともあろうにそんなところで読み続けている子に会うとは意外も意外。
このあいだ、メトロで向かいに座っているにいちゃんが、足元にはいくつも荷物を置きながら、おなじくガルシア=マルケスの「愛その他の悪霊について」を読んでいて、なんとか写真でも撮ろうかと思ったのだが、やはり物怖じして撮れなかった。
本を読んでいる姿の写真を集めたい。
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