年刊日本SF傑作選であり、つまりはSFのアンソロジー。
こんにち、SFの世界はさらに広くなっている模様。
恩田陸が語っているが、いまでは現実の生活もエンターテインメントもみなSFになってしまうらしい。
ただ科学を媒介にしているだけでは物足りない。
あるいは、いままでの科学というジャンルでは括れない何か、つまりは科学を越えたものということであるだろうが、人間のイマジネーションの限界を突き破ろうとしているし、または、イマジネーションの明と暗、どちらの側にも忍び込んできている。
わたしみたいなSFの素人はただただまなこを白黒させていただけだったりする。
SFの世界、またはSFに描かれているような世界はどこかに存在する。
どこか、たとえそれがイマジネーションの内側でしかなかったとしても。
でも、それとはべつにSFとは綴られたもの、記されたものである。
書く、という行為がやはり前提となっているにちがいない。
つまりは、ことばの魔術にたよるしかない。
そんな見方をしてみれば、SFというジャンルだって他のジャンルから跳びぬけているわけではないだろう。
さあ、SFの世界へ弄ばれに往こうではないか。
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