[難易度:2、時間:8分]
長女が小学生だった頃のこと。調理実習で味噌汁を作ることになったらしく家に帰るなり作り方を教えてとまっすぐ僕のところにやってきました。
いやいや、それを教えるのは先生の仕事だろうというと、誰よりも美味しく作るために予習をしておきたいのだとか。
いやいやいや、百歩譲ってその熱心さは褒めてやるとしても、うちは父子家庭じゃないのだよ。まっすぐパパのところに来たのではママの立場がないじゃないか。と、思って家内を見るとニヤニヤ笑っている。これはあれだな、「しめしめ面倒なことが回避できたぞ」って顔だなと思った次第です。
その娘も二十歳を過ぎてしまいましたが、過日、味噌汁の作り方を教えてと言ってきました。
いやいやいやいや、小学生の時に教えたじゃん。って、言ったら、しれっと「忘れた」なんてのたまった。
なら今度はいつでも思い出せるようにこれを書いている次第です。
[材料](2人分)
・いりこ:12、3尾
・水:600ml(カップ3)
・味噌:50g(大匙3弱)
・お好みの実:今回は薄揚げ
[作り方]
1.いりこはあたまとワタを取って小鍋に入れ弱めの中火にかけて1分乾煎りします。これに水を入れてふたをせずに煮立つ寸前まで強火で加熱します。
2.1.をやっている間に薄揚げを丼の上に置いたザルに載せ熱湯をかけて油抜きをします。これを5mmの小口切りにしておきます。
※熱湯をシンクに直接流すとシンクを炒めるので必ず丼などで受けましょう。
3.1.が煮立ちかけたら弱火にして3分煮出します。
※煮立たせないのが風味を損なわないコツです。煮立ちそうになったら火を止めましょう。
4.3.のいりこを抜いて薄揚げと味噌を入れ、煮立たせないように気をつけながら1分煮ればできあがり。
[備考]
・まさに至福の一杯。思わず自画自賛したくなる美味しさです。他所の国のスープもいろいろ美味しいけど、実家に帰ってきた安堵かが味わえるのはやっぱりこれです。
・美味しく作るコツは3つ。いりこは惜しまずたっぷり使うこと。煮出す前に乾煎り(からいり)すること。出汁に香ばしい風味が付きます。そして、煮立たせないこと煮立たせると風味を損ないます。冷めたものを温め直す時も煮立たせないよう気をつけましょう。
・僕の両親の実家は四国なので味噌汁の出汁はいりこで挽きます。各家庭でお好みの出汁があると思いますのでそこはご随意に。かつおや昆布出汁の味噌汁も乙なものです。
・実はお好みで自由自在ですが僕はジャガイモの味噌汁がいっとう好きです。腹持ちも良いし、一種の完全色だと思うのです。
・トマトを実にした味噌汁が美味いと聞いておっかなびっくり作ったことがあります。お味は……。美味いんです。嘘みたいに。酸味の利いたトマト風味は意外に味噌汁に合う。ざく切りトマトを入れてさっと煮るだけ、だまされたと思って一度お試しあれ。
ということで、よければ一度お試しください。
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