「牧神の午後」を読み終わったのだから今度は「幽霊」だと思っていたのに探してみると「木霊」しか見当たらず癪であるというので、どんな行きがかりか「どくとるマンボウ航海記」を捲ることになった次第は先日、記したのであるが、後日、あらためてうちのなかを徘徊してみるとすんなりと「幽霊」に出会い、さらにおのれの人間不信は強まるばかり、とはいってもあらためて本文を追い始めるとそれまでの紆余曲折など取るにも足らないことを合点するにあり、それでいっさいを水に流し、北杜夫ワールドに揺さぶられてみるのは頗るとはいえないまでもひそかな歓びなり。
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