源氏物語をはじめて英訳したアーサー・ウェイリーはおそるべき学識に富んでいることでも有名だが、その生涯にニホンを訪れることがなかった。平安時代に通じていただけに、いまのニホンに幻滅したくなかったのだともいわれる。要は、ニホンにいかなくてもニホンのことに人一倍通じることもできるという話。スペインの中世から近世文学の碩学であるわれらが長南実先生(ラス・カサスの「歴史」の全巻も訳す)も、生涯、スペインの地を踏むことなくスペイン語では右に並ぶひとがいなかった。(現地に行けば習えるなんてもんじゃないんですよね)
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