mixiユーザー(id:1299833)

2019年10月05日14:01

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大崎善生『聖の青春』(講談社文庫)

 棋士の話など縁がないものと思い込んでいたものの、ひとつの才能の軌跡を垣間見るのにやぶさかではなかった。
 病に押しつぶされかかって生きていて、自らの才能のみに頼り、才能のみならず修練を旨として、鮮烈に生きる。
 それはひとつの生き様。
 しかし書き手は、そんな若者の全体をいかに描き出すかに苦心する。
 生きること自体が少なからぬ矛盾を背負っているにちがいない。
 それがここでは、あまりにひたむきすぎる。
 それにしたがって、将棋界のことが他人事でなくなってくる。
 そう、鮮烈に生きる、としかいいようがない世界だ。
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