米国南部の、疾病に蝕まれた女性作家の短篇文学。
息苦しく、しかもなお、わたしたちはどこかで突き放されているような感じがしてならない。
それははたして、ただの思い込みか。
しかし書き綴るという技術においても、秀でていたことはうたがいない。
より落ち着いて、一篇いっぺんについて喋っていったほうがいいと思われるのに、またしてもわたしは通り一遍で過ごしてしまおうとしている。
せめては、この作品たちの重さをこころの一角に忍ばせていけたらいいのだが、そんな深みに容易にたどり着けるものであるか、いまひとつ自信がない。
ただ南部の作品をひとをがらがら落としこんでいってしまうような類の魅力、というか怖さを抱えているということだけを指摘。
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