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2024年03月14日09:08

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読書紹介2383●「ミッドナイト・ライン 上・下」

●「ミッドナイト・ライン 上・下」 リー・チャイルド著 講談社文庫 19年版 各960or940円
 ジャック・リーチャー・シリーズ10。長距離バスに乗ったリーチャーは、トイレ休憩の際に立ち寄った町の質店で、アメリカ陸軍士官学校の卒業記念リングを見つける。自身もその士官学校を卒業していたことから、その指輪を手に入れるためにどれほどの努力が必要か知っていた。
 リーチャーは、だれがなぜ質入れしたのか疑問を持つ。その指輪を見たとき、悲しくなった。そして、正しいことではない気がした。そこで指輪を買い取り、質店の店主に入手先を尋ねると、地元のバイカーギャングであるジミーが持ち込んだとのこと。
 リーチャーはさっそくジミーに会い、出どころを尋ねる。だがジミーは、そんなリーチャーに手下6人をけしかける。その全員を叩きのめし、追い詰められたジミーは、サウスダコス州のスコーピオから手に入れたと明かす。
 リーチャーはヒッチハイクでスコーピオが住む町へ行き、彼が黒い噂の絶えない人物であることを知るが、本人に会って腕ずくで情報を聞き出す。指輪は、ワイミング州のポーターフィールドという男が持ち込んだというのだ。
 そのころにはリーチャーは、指輪に刻まれたイニシャルと卒業年次を陸軍士官学校校長に問い合わせ、もとの持主がサンダーソンという退役した女性少佐であることを突き止めていた。サンダーソンは歩兵部隊の優秀な指揮官として、イラクやアフガニスタンで5度の軍務に就き、青銅星章と名誉戦傷章を受賞していた。
 一方で、このサンダーソンを捜している元FBIの私立探偵プラモルにも遭遇する。プラモルは、サンダーソンの双子の妹マッケンジーの依頼を受けて捜していたのだ。こうしてリーチャーはプラモルとマッケンジーに協力し、サンダーソンを見つけるべく、まずポーターフィールドに対する聞き込みを重ねる。
 ポーターフィールドは、すでに1年半前に熊に喰われて死亡していたこと。彼の住まいにサンダーソンが一緒にいたことなどを聞き込んだ。スコーピオは嘘(ポーターフィールドは死んでいたのだから)を言っていた。同時にスコーピオが、ポーターフィールドの後釜(ドラックの運び屋)になったビリーに、「リーチャーが行くから、隠れてライフルで殺せ」と指示を出していたことが知れる。
 サンダーソン捜しの聞き込みで、リーチャーは不思議な思いをする。サンダーソンと面識がありそうな人物に瓜二つの妹マッケンジーを会わせても、なんの反応も返ってこないのだ。そこでサンダーソンに何があったのか、リーチャーは思いつく。名誉戦傷章を受けた傷とは、顔の傷だと。
 やがて、戦傷者とドラックの関係などの真実が明らかに。リーチャーの、ドラックを横流しする組織への報復が開始される・・・。という物語。本書は冒頭から、日本でいえば武芸者の果たし合いさながらのファイターの描写がつづき、グイグイひきつけられた。読みすすめずにはいられない本でありました。面白かった。
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