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2024年01月09日09:17

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読書紹介2362●「ウルフ・ムーンの夜」 

●「ウルフ・ムーンの夜」 スティーヴ・ハミルトン著 早川書房 01年版 700円
 私立探偵アレックス・シリーズの2。シリーズ1の最後に、フルトン家の者が皆パラダイスを離れたことで、顧問弁護士レーンも町を出た。アレックスの探偵業も失業状態となる。アレックスには父が残した6つのロッジがあって、夏には観光客、秋には狩猟者、冬にはスノーモービルの愛好者を迎えていて、穏やかで退屈な日常が戻っていたのだ。
 そのアレックスのもとに、リーチに首にされたリーアンがやってきて、一緒に私立探偵をやろうと持ちかけてくるのだ。リーアンはパラダイスの地元の人間で、幼い時の弱虫なリーアンを知っている地元民は、誰もリーアンに相談事を持ち込んだりしないが、デトロイトからやって来たよそ者のアレックスなら相談を持ち込んでくるというのだ。
 しかもアレックスは警官時代に銃弾を受け、その1発がいまだに心臓の近くに残っているという武勇談があるのだから、うってつけだというのである。こうしてリーアンは、勝手に2人の名を冠した私立探偵業の名刺を作って(ホームページも開設した)、アレックスに持たせたのである。
 1999年1月(ウルフ・ムーン)、アレックスのもとにドロシーという美しい女(地元インデアン出身)が訪ねて来た。暴力的な恋人ブラックマンから逃げるのを手助けしてくれという。彼女は窮地に陥っていた。悪人に付きまとわれ、万策尽きてアレックスのもとに来た。アレックスは第2ロッジに彼女を泊めるが、翌朝ロッジは荒らされドロシーの姿が消えた。ブラックマンの仕業か? アレックスは自責の念に駆られ、彼女の行方を追う。やがて、麻薬密売に絡む2重3重の追跡劇の渦中にまきこまれることとなる。
 ブラックマンは、麻薬をマフィアから盗んでカナダ国境の田舎町パラダイスに逃れて来たのだ。カナダには自在に行き来でき、追跡をかわすのに便利だった。そのブラックマンを追うマフィア。ブラックマンから麻薬入りのキャリーケースを奪って逃げたドロシー。
 やがて、アレックスのロッジが2回にわたって家探しの被害に遭う。2度目の人物はブラックマンで、ドロシーの持っていたキャリーケースを探していたのだ。捕らえられたアレックスは、キャリーケースの行方を尋問されるが「知らない」というと、スノーモービリに繋がれ雪中を引きずり回され瀕死の重症を負わされのであった。
 ブラックマンでなければ誰にドロシーは誘拐されたのか? 麻薬入りのキャリーケースはどこに消えたのか? 冷酷なマフィアの幹部がやってきて、ブラックマンとアレックスが捕らえられる。九死に一生を得て生還したアレックスは、あることに気づく。それは、ドロシーと地元インデアン達のあまりにも素っ気ない関係であった。それには・・・、という物語でありました。 
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