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2024年01月07日10:17

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読書紹介2361●「氷の闇を越えて」

●「氷の闇を越えて」 スティーヴ・ハミルトン著 早川書房 2000年版 700円
 私立探偵アレックス・シリーズの1。時代は1998年。ミシガン州パラダイスはカナダと国境を接する田舎町で、主人公のアレックスが住んでいる。アレックスは14年前、デトロイトでの警察官時代(8年間)にローズという狂人に撃たれた。心臓のそばには銃弾が1つ残っていて、取り出すことができなかった。その後退職し、パラダイスに父が残した6つのロッジの経営をしている。妻とも離婚した。子供はない。
 アレックスには、友人のエドウィン(富豪フルトン家の長男。戸主は母親)がいた。エドウィンは、賭博狂でいつも問題をおこしていた。そのフルトン家の顧問弁護士・レーンから「私立探偵に登録して、仕事を手伝ってほしい」との要請がある。固辞するアレックスだったが、警察官の経歴があるから登録はすぐ下りると説得される。ということで、私立探偵アレックスが誕生するのだ。
 レーンから拳銃を所持するように言われ、嫌々拳銃を持たされることに。実はアレックスにはトラウマがあった。14年前相棒が目の前で殺され、自分も3発の銃弾を食らい死にかけたこと。その場面が目に浮かび、催眠薬なしには眠られぬ日々を過ごしてきた。この頃やっと、薬を断つことができた。拳銃を持つことは、その日々を思い出すことであったのだ。
 エドウィンが問題を起こした。エドウィンが借金の利子を賭け屋に払いに行くと、賭け屋が銃殺されていたのだ。エドウィンはアレックスを現場に呼びつけた。そのアレックスの自宅に、ローズと署名のある手紙が届き「自分の犯行だ」と書かれてあった。ローズは州の刑務所に服役中(終身刑)で、刑務所から出ることは不可能である。
 そして又、殺人事件が起こる。パラダイスの田舎町で連続殺人が起こり、町はそのことで持ちきりとなる。次も、賭け屋であった。エドウィンとの関わりが疑われるのだ。そのエドウィンが姿を消す。探し回るアレックスは、湖の近くでエドウィンの車を見つける。湖にはボートが繋がれ、中には血が(エドウィンの血と判明)。エドウィンの死体は凍った湖の中で、発見するには翌年の夏まで待たなければならない。
 そんな最中、レーン弁護士に雇われていた私立探偵リーアンが、アレックスのために失業したと酔って自宅に押しかけてくる。好きな探偵家業がやれなくなって、やけくそになっていたのだ。このリーアンの下には、押しかけ助手のジュリアスがいた。ジュリアスが、アレックスのことを事細かに調べていたことがわかる。アレックスの14年前の事件のこと。ジュリアスはローズのことを調べ、自分がローズと一体であると妄想した狂人であった。
 そのジュリアスが、アレックスの自宅に拳銃を持って押しかけて来て発砲。応戦したアレックスは、ジュリアスを撃ち殺してしまう。ジュリアスの家には日記が残されていて、そこには賭け屋やエドウィンを殺したことが事細かく書かれていたのだ。これで事件は終わりとなったが、とんでもないどんでん返しが起こるのでありました。

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