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2023年11月02日08:40

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読書紹介2341●「鷹の王」

●「鷹の王」 C・j・ボックス著 講談社文庫 18年版 1100円
 猟区管理官シリーズ11。本書の主人公は、いつも脇役だったジョーの盟友ネイトである。狙ってくる敵と、敢然と戦うシリーズとなる。ネイトがどんな人生を送ってきたのか。なぜ狙われるはめになったのかが、初めて語られる。
 それは、9・11にも関わる事件であったのだ。敵はジョン・ネマチェク。ネイトを特殊部隊にリクルートした上官であり、タカ狩りの師匠であった。一緒に仕事をしていて、たがいに命を救いあったことは1度や2度ではなかった。
 そのネマチェクが部隊を私利私欲のために利用していたとわかったのだ。ネイトたちがやってきたことのほとんどは、ゲームに過ぎなかったことを知ったとき、ネイトは政府全体を信じられなくなりドロップアウトした。そのネイトには、かっての同僚が狙ってきたり(返り討ちにした)した。その事件によってネイトは、FBIの追跡対象となった。
 ある決定的ななにかがあって、ついにネマチェク自身がネイトを追うようになった。最初はワイオミング州の地元民3人が、助けを求めてネイトのところに来た。不意を突かれ、ネイトは左腕を矢で射貫かれた。地元民を使うのは、ネマチェクが得意とする作戦の1つだった。3人は、ネイトに射殺された。
 ネイトが以前隠れていた「壁の穴」の入口を守っていたP(ネイトの元同僚)が殺された。若い女の色仕掛け(200キロのPに惚れる女はいなかった)にあい、腹を割かれて死んだ。ネイトを知る者が次々と行方不明となった。先住民地域の、亡き恋人アリーシャの兄バット、インディアン・ハイスクールの受付係アリス、その他1名。
 ジョーの地元は、次々と発生する死体と行方不明者で大混乱となる。そして次に狙われたのがジョーの家族だった。妻メアリーベスが働く閉館後の図書館に、ネマチェクが現れたのだ。メアリーベスは、恐怖に慄くのだ。
 ネイルはまず、父親(母は亡く、再婚して2人の少女と暮らす)を訪ねる。そこでネイルは異変に気付く。娘たちが人質にとられているのだ。ネイルが去れば、すぐ父はネマチェクの仲間に知らせるだろう。
 ネイルの車に尾行がついた。カーチェイスの末、3人の若い男を谷底に埋めたネイル。彼らはネマチェクが集めた戦闘員だったが、これまでとは違っていた。これまでは、独立独歩の熟練した戦闘員だったが、彼らは若い殺し屋でしかなかった。ネマチェクが、若いイエスマンだけを集めていることを知る。父の家に戻ると、娘たちが帰っていた。傍に若い殺し屋がいた。その男を射殺したネイトは、父に「家族を連れて逃げろ」と金を渡す。
 こうして正体不明(身分証明をもたない)の4人の死体が。さらに、ネイトの仲間(他に部隊をドロップアウトした者や、無政府主義者など)がいるキャンプが襲われ、皆殺しに遭う。次々に現れる死体に、FBIは騒然とするのだ。
 一方、ジョーには猟区管理官見習いのルークが配属され、2人は管轄地域のパトロールに出る。このジョーのもとに、ネイルからの暗号文が届く。「家族とすぐ逃げろ」と。メアリーベスは図書館でのことがあり、直ちに東部への脱出を準備。空港で家族を乗せた飛行機を前に、ジョーは苦悩する。自分だけが現場を逃れていいのか、と。
 ジョーには、ネマチェクの山の中の隠れ家の目安があった。ついに現場復帰を決意するジョー。ネマチェクの隠れ家に、ジョーとネイトは別々に迫っていき、激闘が開始するのでありました。

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