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2023年05月10日16:13

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★日めくりレシピ(ぶっかけうどん豆腐)★

[難易度:2、時間:7分]
ちょっと前、小学館から出された若草物語の新訳が話題になりました。今の時代にあった表現でという視点で会話文を中心にフランクで砕けた表現が多用されていて是非(これはありかなしか)が議論されていました。その発想の延長戦というべきか古典や昔話をギャル語に直したものがネットで話題になっていましたね。
「なにこの桃えげつくない?」「なんか川で洗濯してたら『ジャスティスウェーイ』って流れてきたんだよね。パクつこう」
みたいなw その是非をどうこう言うつもりはありませんが試みとしては面白いと思うのでどんどんやったら良いと僕は思います。
なんだか奇をてらい過ぎという意見もあると思いますが、これって要は若草物語の四姉妹が現代人だったらとか桃太郎のおじいさん、おばあさんがパリピだったらという発想を起点にした一種の見立て小説だと思うのです。で、この手の手法はわりと古典的なものなんですよね。
歴史上の有名人を当世風に描いたらこんな感じになっちゃった──というのは浮世絵の得意分野で江戸の昔から僕ら日本人は見立てが大好きなのです。
噺家が使う扇子や手ぬぐい、竜安寺の枯山水(水を一切使わずに水面を表現した石庭)、ミステリーのジャンルではその名も「見立て殺人」なんて呼ばれるものもあります。不謹慎にも死体を見立てに使っちゃってるんですね。「なにこの死体えげつくない?」って言いたくなります。
料理の世界にも見立ては頻繁に使われていて動物性の材料を使えない精進料理の世界は「見立て料理」、「もどき料理」のオンパレードです。
しかし。しかしですよ。なんでこうなったと思う見立て料理もありまして、最近ハマっている江戸時代のレシピブック「豆腐百珍」の中にこんな料理を見つけました。
「ぶっかけうどん豆腐」
豆腐をきしめんのように細く切って湯豆腐にし、ぶっかけうどんみたいにして戴くという。いやいや、うどんって江戸の昔から言うほど高価なものじゃなかったと思うし、普通にうどんを食べれば良くなくね? って。
けど、試みとしては面白い。その発想力にいたく感服しましたのでさっそく作ってみました。

[材料](1人分)
 ・絹ごし豆腐:半丁
 ・蕎麦の返しまたはめんつゆ:大匙2
[薬味パート]
 ・大根おろし:1cmの輪切り分
 ・刻み葱:適宜
 ・花かつお:ひとつまみ
 ・七味唐辛子:少々

[作り方]
 1.豆腐は縦に長い方向に薄く切ってきしめん状にします。これを丼に入れて熱湯(分量外)を注いで1分置きます。
 2.1.をざるに揚げて水気を切り蕎麦の返しまたはめんつゆを回しがけます。これに[薬味パート]をトッピングすればできあがり。

[備考]
 ・さすがにうどんのようにつるつるとは手繰れませんがつるりとしたのど越しはなかなか快感です。何より[薬味パート]がよく吟味されていて美味しいですよ。
 ・江戸時代のレシピブック「豆腐百珍」に載っている料理のひとつですが発想力に感心しました。豆腐をうどんに見立てるという発想はちょっと出てこないな。
 ・お好みでおろし生姜やおろし山葵などを加えても美味しいですよ。

ということで、よければ一度お試しください。
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