[難易度:2、時間:7分]
2022年は小学館創業100周年だそうで、その記念企画として高橋留美子さん作「うる星やつら」のアニメがリメイクされることになりました。オールドファンとしてはなんとも喜ばしいことでけっこう楽しみにしています。この勢いで(?)ついでにめぞん一刻もリメイクしてくれないかな。
この2作品はともに僕が大学時代を過ごした頃に連載されていたもので、近所の定食屋でランチを食べながらよく雑誌のページをめくった記憶があります。並の作家ならどちらか一方の連載を続けるだけでも相当体力がいりそうなものなのに、よくぞ掛け持ちされていたなぁと彼女のバイタリティには今更ながら舌を巻きます。
特に主人公が自分と同年代の大学生だったこともありめぞん一刻はけっこう感情移入しながら読んでおりました。
同作は冴えない大学生の主人公とアパートの管理人さん(二十歳で未亡人になった人)との恋愛模様を描いた佳作でギャグ漫画のテイストを継承しながら恋愛を描くといういわゆる「ラブコメ」という単語を定着させたエポックメイキング的な作品でもありました。
作中、こんなエピソードがありました。田舎から上京してきた主人公のおばあちゃんに強引に連れられて恋のライバルであるテニスコーチ(しかもお金持ち)の自宅を突撃する話。テニスコーチがお昼をごちそうするとキッチンに立つのですが彼が作っていたポタージュスープにおばあちゃんが味噌を入れようとして慌てて阻止される一幕がありました。たった一コマの小さなエピソードでしたがコーチとおばあちゃんの立ち位置がひと目で分かる良い演出でした。
過日、この料理を試作していてふとそのエピソードを思い出しました。あれから40年、うる星やつらがリメイクされる年に味噌入りのポタージュを作るのも何か縁のようなものを感じるなぁ。
[材料](1人分)
・牛乳:200g(カップ1)
・鰹だしの素:小匙1/2
・赤味噌:18g(大匙1)
・(あれば)酒粕:10g
・山芋:5mmの輪切り
・刻みネギ:少々
[作り方]
1.牛乳と鰹だしの素を小鍋に合わせてひと煮立ちさせます(吹きこぼれに注意)。待っている間に山芋の皮を剥き5mm角の拍子木に切ります。
2.1.の小鍋に山芋を入れて弱火で3分煮込みます(吹きこぼれに注意)。火を止めて味噌を加えてよく溶きます。再度中火にかけて煮立つ寸前に火を止めればできあがり。
[備考]
・山芋のとろみが加わってポタージュのような食感のスープになります。それでいて味噌味というのが面白い。ちょっと味わったことがない汁物ですよ。
・「あれば」と書きましたが酒粕はこのスープには必須じゃないかと思っています。味噌と牛乳というおよそ個性の違う素材をつなぐジョイントの役割を果たしてくれるのです。
・とろみを付けたくて具材は山芋をチョイスしましたがそれ以外でも味噌汁の具になるものならなんでもありです。
・お好みでおろし生姜を加えるとぽかぽか体が温まりますよ。
・このスープの出典は「異世界居酒屋のぶ」です。作中では京都の白味噌が使われていて試作してみたのですが僕には甘すぎました。やや渋みのある赤味噌が僕的にはオススメです。
ということで、よければ一度お試しください。
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