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2021年01月21日10:58

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読書紹介2029●「翼のある依頼人ーー慶子さんとお仲間探偵団」

●「翼のある依頼人ーー慶子さんとお仲間探偵団」 柄刀一著 光文社 11年版 1500円
本書の主人公は、松坂慶子。20代の前半で、生まれて間もない息子・大輔がいる。夫は財閥の三男坊で、父親の事業の一部を担っている。慶子さんは、熱狂的なシャーロック・ホームズの愛好家。つまり、「シャーロッキアン」である。
 彼女のお仲間には、英国シャーロッキアンのサガンが。サガンは、ドイツ人の女医学生。研修のため来日したのだ。同じく英国から松坂家に客人として来ていたのが、動物の言葉がわかるルシイ。それに、元英国名門女子高の寮長を長く勤めていた70代の筧フミ。彼女は今、慶子の家の住み込みのハウスキーパー兼看護役。それに、日本のシャーロッキアンの組織の面々がいる。
 慶子さんは、子供の時から「ナルコレプシー」という、自分の意思とはかかわりなく突然眠ってしまう病に罹っている。フミさんが看護役なのは、この病のためである。本書には、4話が収録されている。大輔は1話では0歳、4話では中学生と成長しながら、ママを護っているのだ。
 表題の「翼のある依頼人」は、大輔3歳のとき。発端は、松坂邸に向かっていたルシイが、途中の道路で空から落ちてきたメジロを拾ったこと。やがて、多くの鳥たちの死体が発見されていくのだ。
 そんななか、松坂邸に白いインコが迷い込んでくる。インコは、自分のことを「ピヨチャン」と呼んだり、様々な機械音を口マネするのだ。それを聞いたルシイは、サガンと慶子たちとある推理をして、ピヨちゃんの飼い主を探し当てることに。そこには、鳥の大量死の秘密が・・・、という物語。
 本書では、シャーロック・ホームズと作者のコナン・ドイルのうんちくが「これでもか」と披露されていて、とても面白い本でした。

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