[難易度:2、時間:30分]
坂田靖子さんは結構好きな女流漫画家です(って、女流漫画家って今日日聞かない単語だな)。
短編連作でコメディータッチの作品が得意な方なのですが笑いのツボが独特でその発想はなかったと笑うより唸らされることがしばしば。
なかんづく僕は「村野」という短編がお気に入りです。
明治時代、高等学国の悪友が主人公の家にお年賀に集まってワイワイ騒ぐという他愛もない話なのですが最後の最後でピリッとわさびが利き過ぎたようなフィニッシュストロークを食らって心がしんと冷えましたっけ。
作中で悪友の一人が牛肉の塊肉を持ち込んでいてすき焼きを作ろうという話になるのですがこれがスライスするととんでもない量になってしまった。その割にネギが少な過ぎるという変な料理になっちゃう場面がありました。
「お前は肉を食っとけ。ネギは俺のもんだ」
なんて時ならぬネギ争奪戦が始まったりしてね。初めて本作を呼んだのは僕が大学生の頃でしたが「いっぺんで良いからこんなすき焼き食べてみたいな」なんて思ったものです。
それから三十数年──こんな斜め上の発想のすき焼きを食べることになるとはさすがに予想もしませんでした。
[材料](2人分)
・牛ロース肉:200g
・白ネギ:半本
・じゃがいも:2個
・人参:半本
[割り下パート]
・デミグラスソース:50g
・カットトマト缶:100g(1/4缶)
・赤ワイン:70g(70ml)
・水:100g(1/2カップ)
・濃口醤油:30g
・味醂:18g(大匙1)
・砂糖:6g(小匙1)
・バター:12g(大匙1)
[作り方]
1.牛肉、白ネギ、じゃがいも、人参は食べ易い大きさに切ります。
2.鍋にバターを入れて中火にかけ融け始めたら白ネギを入れてしんなりするまで炒めます。更に肉を加えて色が変わるまで炒めます。
3.2.にじゃがいも、人参、[割り下パート]を加えて蓋をします。ひと煮立ちしたら弱火にして15分煮込めば出来上がり。
[備考]
・もはやビーフシチューとしか言いようがないヴィジュアルですが醤油、味醂、砂糖で味付けしているのですき焼きには違いないんですよね。ちょっと複雑な気分。
・味はガチで旨いです。けど、食べ方はすき焼き風に箸でつつくよりスプーンで掬ったほうが良いかも。
・具材は他にホワイトマッシュルームやセロリなど洋風のものがオススメです。
・オレガノなどトマトに合うスパイスを加えると風味が複雑になって楽しいですよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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