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2020年10月19日15:45

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読書紹介1986●「四神の旗」

●「四神の旗」 馳星周著 中央公論新社 20年 1700円
 本書は、藤原不比等を主人公にした「比ぶ者なき」の続編である。不比等は生前、息子4兄弟について「首様(聖武天皇)と安宿媛(不比等と橘三千代の子で、後の皇后)を護る四神」と称していた。
 不比等が目指したものは、「藤原の者は臣下であって臣下ではない特別な一族になる」ことであった。つまり、「天皇も藤原の一族であり、その后も藤原の娘がなる」というのを、未来永劫続けて行くというもの。そのためにも、皇族の出ではない安宿媛をなんとしても皇后にすることが、その第1歩の目標であった。
 本書では、安宿媛の皇后擁立に反対する、朝堂の第1人者である長屋王を陥れ、藤原の長男・武智麻呂が第1人者として躍り出るための闘いを描いた本。藤原の4兄弟は、長屋王追い落としのため結束すると同時に、権力を巡って互いに争う間柄でもあった。
 本書では、どのようにして長屋王の欠点を突いて陥れるか(天皇の命を受けて断罪したか)を、詳しく描いている。しかしその後、藤原の4兄弟全員が相次いで天然痘に罹り没している。それを庶民は、長屋王の祟りと言うのであった。
 そんななかでも、次の世に再び藤原の者たち(4兄弟の息子)が台頭していくのだが、その秘密も語られていたのでありました。


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