[難易度:2、時間:20分]
江戸時代、若狭湾で獲れたさばを京都に運ぶ街道を鯖街道と呼びました。
鉄道や車がなかった当時、さばは行商人が徒歩で1日かけて運びました。獲れたてに塩をしたさばはこの1日という行程でちょうど良い塩梅になって京の街の人に愛されたとか。特に冬場は寒さで身がしまって旨味が凝縮されるので寒サバと呼ばれて珍重されたそうです。
ただ、珍重されたもうひとつの理由は冬場の峠越えはリスクがあるので運ぶ行商人が減って供給量が下がったからというのもあるみたい。中には命を落とす行商人もいたそうなのでまさにハイリスク・ハイリターンな商売だったようです。
冷凍技術が発達した今ではそのありがたみも薄れてしまったありふれた魚ですが、震災やコロナなどを経験するといつまた江戸の昔に生活レベルが戻ってもおかしくないなんてことを肌で感じてしまいます。
そう思うとこのありふれたお惣菜も手を合わせて「いただきます」と言いたくなるごちそうに思えてきますね。
[材料](1人分)
・さば:半身
・生姜スライス:数枚
[煮汁パート]
・水:100g(0.5カップ)
・酒:50g(1/4カップ)
・濃口醤油:36g(大匙2)
・味醂:36g(大匙2)
・砂糖:6g(小匙2)
[作り方]
1.さばは骨を取って食べ易い大きさに切ります。丼をすけたザルにこれを並べて熱湯(分量外)をかけて霜降りにします。生姜は針生姜にしておきます。
2.鍋に[煮汁パート]と生姜を入れて強火にかけひと煮立ちさせます。さばを加えて再度ひと煮立ちさせ落し蓋をして弱火で10分煮ればできあがり。
[備考]
・いかにもお惣菜という感じのやさしい風味です。濃いめの味付けですが生姜の清涼感がさっぱりとした味に仕上げてくれています。
・同じ味付けでイワシなどを使っても美味しくいただけます。
・お好みで山椒などを振っても楽しいです。
・残った煮汁は冷めると軽くにこごります。匙で少しずつ掬って食べれば良い肴になりますよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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