●「沖ノ島伝説殺人ファイル」 今野敏著 講談社文庫 13年版 581円
ST警視庁科学特捜班シリーズの11。今回のテーマは、沖ノ島のタブー。沖ノ島の港湾工事中に、ダイバーが死体で発見された。しかし、沖ノ島にはタブーが3つあった。1つは、例外を除いて島には誰も立ち入りできないし、女人禁制である。2つは、島で見聞きしたことを外で話してはいけない。3つは、島からは草木の一本たりとも持ち出してはいけない、というもの。
1では、警察といえども現地調査ができない。2では、関係者に事情聴取や目撃証言を聞き出せない。そこで、島の因習に囚われない外部の人間に捜査してもらおうと、STメンバーに応援要請がされたのだ。
STメンバーが現地に赴くと、福岡県警は事件に及び腰であった。しかし赤城がダイバーを解剖し、他殺であることが明らかになったことで、県警も動き出すことに。STメンバーは、タブーに屁理屈を捏ねて(海の中や船の上は島内ではない)ダイバーの死体発見者、通報者(下請け会社の社長)の事情聴取をする。そこで、異常聴覚者の翠と異常嗅覚者の黒崎は、2人の嘘を見逃さなかった。
ということで、なぜ嘘をついたのかそれとタブーとの関係は、と突き詰めていき、意外な事実が浮かび上がって・・・。という物語。神様とSTメンバーが、科学によって対決する物語でありました。
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